つらいことは相談して 夢ら丘さんが読みきかせ
絵本作家の夢ら丘(むらおか)実果さんによる絵本の読み聞かせ会が19日、和歌山県和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開かれた。児童養護施設の旭学園と虎伏学園から小学校低学年の19人が参加し、絵本を通して心の病気と解消法を教わった。
震災から命を守る会が主催。夢ら丘さんは知人の自殺や娘の学校で起きたいじめなどを受け、子どもの命と心を守りたいと2007年に絵本作家の吉澤誠さんと共に『カーくんと森のなかまたち』を出版。読み聞かせは全国の小中高校、大学、児童養護施設など700カ所以上で実施している。
絵本は、ホシガラスのカーくんが友達と比べて模様が美しくない、鳴き声がきれいでないと自信をなくしてしまう。しかし、仲間たちの言葉でもう一度元気と自信を取り戻すという話。夢ら丘さんは読み聞かせをした後、カーくんの姿を通して「うつ」について説明。落ち込むカーくんに話し掛けたフクロウのホー先生のように、苦しむ人の話を聞いてあげること、自分もつらいときは相談することの大切さを子どもたちに伝えた。
夢ら丘さんは「虐待やいじめといった心の病気につながるものが増える中で、子ども自らが相談する力をつけることが求められる。子どもに直接伝えることで、生涯にわたる自殺予防になることを知ってもらいたい」と話していた。
読み聞かせ会では原発事故で福島を去ることになったネコがふるさとと仲間たちを思う『とどけ みんなの思い』も披露された。