黒川、東妻が活躍誓う 球団が指名あいさつ
17日のプロ野球ドラフト(新人選択)会議で指名を受けた智弁和歌山高の黒川史陽内野手、東妻純平捕手が24日、和歌山県和歌山市冬野の同校で球団関係者から指名あいさつを受けた。東北楽天に2位で指名された黒川選手は三木肇監督から直々に激励を受け、「どんなコースも打てるようになり、誰も成し遂げていない打率4割を達成したい」と決意。横浜DeNAに4位で指名を受けた東妻選手は「(今季限りで引退する)巨人の阿部慎之助選手のような打てて守れる捕手になりたい」と目を輝かせた。
2人は理事長室で中谷仁監督や藤田清司理事長と球団関係者からチームの現状や育成方針などについて説明を受けた。ともに緊張気味の様子だったが、プロ野球選手としての目標を堂々と宣言した。
黒川選手は元内野手の三木監督にプロの内野守備について質問したといい、「基本の大切さを教わり、野球に対してすごく熱い方だと思った。監督についていきたい」と話した。上宮高(大阪)野球部で黒川選手の父の2年後輩に当たる三木監督は、「はきはきと答えていて質問も的確。思ったより体も大きかった」と好印象を口にし、「OBから黒川さんの息子さんは相当うまいと聞いていた。バットコントロールに優れ、バランスの取れた選手」と評価。安部井寛チーム統括本部長は「プロでレギュラーを取れる雰囲気を感じた。茨城国体でも木製バットに戸惑う様子がなかった」と話し、チームの主力打者として今季33本塁打を放ち打点王2回の実績を誇る浅村栄斗内野手の名前を挙げ、「後を継いでくれる選手になってほしい」と期待を寄せた。黒川選手も「浅村選手は打つ時に下半身がぶれない。理想の選手」と話し、「夏からトレーニングで体重も4㌔増やした。けがをしない強い体をつくって出遅れないようにしたい」と意気込みを示した。
東妻選手は「緊張した。プロになるという実感が湧いた」と笑顔。「2、3年後に正捕手を争えるようになってほしいと言われた。守備を評価されたと思うので捕球の技術を磨きたい」と抱負を語った。親元を離れるのは初めてだが、「寮は完成したばかりで設備も整っていると聞いた。あまり心配はしていない」と自信を見せた。中谷仁監督は「向上心が強く、厳しく指導された翌日に元気に『おはようございます』と言ってくる選手」とメンタル面の強さに太鼓判を押した。
日本シリーズで9連覇を果たした時代の巨人で捕手としてプレーし、バッテリーコーチも務めた吉田孝司スカウト部長は遠投約125㍍を誇る強肩と長打力を高く評価。「捕球の技術は練習すればうまくなるが肩の強さは生まれ持った部分が大きい。今は捕手も打てないといけない。東妻選手は両方備えている」と期待を寄せ、「しっかり食べて体をつくり、1年でも早く出てきてもらいたい」と話した。安部建輝スカウトは「5季連続で甲子園に出ていて『勝てる捕手』だと思う。足も速くて動ける選手。苦しさを表情に出さない点も魅力」と話していた。