南紀の自然満喫 すさみでサイクルイベント

和歌山県のすさみ、古座川両町にわたって自転車で走るイベント「ライドオンすさみ2019」(すさみ町サイクリング大会実行委主催)が20日に行われ、遠くは茨城県などから約700人が参加。南紀の風光明媚(めいび)な景観を楽しみながら爽やかな汗を流した。ことしで3回目となる大会は年々参加者が増加しており、サイクリングを観光の重点として押し出している県にとって朗報だ。

大会はアドベンチャー(約82㌔)とチャレンジ(約140㌔)の2コースが用意され、それぞれ310人と396人が出走した。10代~70代までの男女がタイムを競わずに楽しむ「ファンライド」で、枯木灘の海岸や日置川、古座川などの河川、さらに山岳地など南紀ならではの風景の中を自分のペースで走り抜けた。

途中に設置されたエイドステーションでは住民がイノブタ肉やユズなどの地元産品を使った料理やドリンクでもてなし、交流を図っていた。前日までの雨で山のコース上にたまっていた落ち葉や枝などのごみも地域の人たちが掃除し、海岸線の見老津港周辺では大漁旗を掲げて和太鼓で応援するなど地域挙げての歓迎に、出場者も手を振って応えていた。

和歌山市から2度目の参加となった藤井友彦さん(40)は「アドベンチャーコースでの参加ですが、坂が多くて走り応えは十分。各エイドで、すさみのグルメを満喫できるのが魅力の一つ。でも、それ以上に沿道で地域の皆さんが温かい声援を送ってくれるのが本当にうれしくてことしも戻ってきました。大好きなサイクルイベントなので来年もまた参加したいです」と笑顔。同市から初めてアドベンチャーコースに参加した山崎智香子さん(50)は「時折やってくるきつい上り坂に、82㌔という走ったことのない未知の世界。途中ゴールにたどり着けるのかと不安にもなりましたが、一緒に参加した仲間たちの支え、そして沿道でのすさみの方々の感動するほどの応援に、美しい景色の中、無事走り切ることができました」と温かい出迎えに感動していた。

枯木灘の海をバックに笑顔で疾走する参加者

枯木灘の海をバックに笑顔で疾走する参加者