率先し命守る行動を 松江地区で防災訓練

 和歌山県和歌山市の松江地区で4日、南海トラフ巨大地震などに備えた防災訓練が行われ、住民927人がいざというときに備え、避難や人命救助の手順を確認した。

 同地区防災会(川口敏夫会長)、同地区連合自治会が共催で実施する17回目の防災訓練。尾花正啓市長も参加し、消防や警察が協力した。

 紀伊半島沖で地震が発生、同市で震度6弱を観測し、津波による浸水や家屋の倒壊、火災が発生したと想定。午前9時に防災行政無線で地震と津波の発生が伝えられると、住民はそれぞれの1次避難所に集合し、河西緩衝緑地の多目的運動広場を目指して移動した。

 広場では、倒壊した建物からの負傷者の救出・救護、AED(自動体外式除細動器)を使った心肺蘇生、消火の訓練などが行われ、アルファ米の炊き出しや、災害用装置で浄化した河西中学校のプールの水の試飲もあった。

 参加した女性(70)は「見て、体験するのはとても勉強になる。災害が多いので、いざというときに対応できるようにしたいですね」と気を引き締め、川口会長(71)は「災害時『誰かがやってくれる』ではなく、誰もが率先して動く心構えが大事。それにはまず自分が助かること。つながりを大切に、学校などを含め地域が一つになって一層防災力を高めていきたい」と話していた。

倒壊した建物からのけが人搬送訓練も