和大生がおもてなし ねんりんピックで観光ツアー

 和歌山県内で初開催されている「全国健康福祉祭(ねんりんピック紀の国わかやま2019)」(12日まで)で、スポーツや文化活動に臨んだ選手たちの中には、県内各地の観光を楽しむ人も多い。県外から訪れた人に和歌山を満喫してもらおうと、和歌山大学観光学部の学生たちが観光ツアーに同行し、おもてなしに一役買っている。

 ねんりんピックには47都道府県と20政令指定都市の選手約1万人が参加。県は旅行会社などと協力し、県内の人気観光地を巡る観光ツアーを用意した。一部のツアーについては、和歌山大学観光学部の1回生と3回生の11人も企画づくりに関わった。

 学生が関わったツアーは「語り部ガイドと紀州徳川五十五万石の城下町をめぐる」「現地ガイド案内で世界遺産高野山と空海ゆかりの地をめぐる」(ともに日帰りツアー)と「語り部ガイドと歩く、世界遺産熊野古道(中辺路)・熊野三社詣りと勝浦温泉1泊2日の旅」。日帰りツアーには学生が同行した。

 11日に実施された「語り部ガイドと紀州徳川五十五万石の城下町をめぐる」ツアーには、1回生4人と3回生1人が同行。JR和歌山駅で選手たちと落ち合い、和歌山城や養翠園、紀三井寺など市内の観光名所を一緒に巡った。

 ツアーに参加したのは東京や山形、千葉、愛知、熊本などの選手31人。海南市で行われた太極拳や由良町で実施されたウオークラリーなどに出場した。和歌山城では、語り部の坂本平さんの説明を聞きながら、紅葉渓庭園から御橋廊下、天守閣、追廻門の順番で回り、わかやま歴史館で和歌山の土産を購入した。

 選手たちは学生たちが観光学部所属であることを知ると「なかなかない学部ですね。ごくろうさま。頑張ってくださいね」とエールを送った。学生たちは選手に和歌山城のパンフレットを手渡したり、天守閣までの坂道を上る際は選手を気遣ったりし、和歌山に関する質問にも答え、選手たちは「優しくておもてなしがすごい」と満足そうだった。

 学生たちは今回訪れる観光名所を夏休みに下見するなど、入念に準備して当日に備えた。1回生の松本菫さん(19)は「生まれ育った和歌山市の魅力を伝えたいと思い臨みました。特に緊張することなく、高齢者の方と交流できて良かったです」と笑顔。太極拳に出場した愛知県の林凭子さん(76)は「和歌山城は天守閣が大きく石垣もきれいに積まれていて御三家の重みを感じた」と話し、9日の総合開会式を「和歌山の歴史や四季を物語で説明してくれたのが印象的で、坂本冬美さんの歌も良かったです」と振り返っていた。

天守閣への坂を選手と上る和大生