益子と笠間、個性豊かに Msで陶芸5人展
益子、笠間焼の陶芸家5人による展覧会「製作を楽しみ、制作を愉しむ。」が17日まで、和歌山県和歌山市十二番丁のMsギャラリー12番丁で開かれている。
出品者の一人、藤本均さん(68)は23歳まで紀の川市で過ごし、現在は茨城県笠間市でものづくりを楽しんでいる。
出品メンバーはその他、森田榮一さん、石嶋哲彦さん、小林政美さん、小峰尚さん。藤本さんによると、笠間焼に明確な定義はなく「特徴がないのが特徴」ともされる。作家の個性を重んじ、自由な作風でさまざまな笠間焼が生まれているという。
藤本さんの作品は時計や持ち手がユニークなカップ、素朴な質感の皿などで、光沢のあるグレーの落ち着いた風合いの作品が並ぶ。「一見、失敗だと思うようなものも生かして作品にする。陶芸家がやらないようなことに挑戦したい」と話し、焼き物を使ってアニメ映像を作るなど、斬新な試みも動画で紹介している。
森田さんはいびつなカップや遊び心いっぱいのオブジェなどを、また唯一、益子焼を手掛ける石嶋さんは平面の板を組み合わせて立体的に見せる繊細なポットや花器などを出品し、5人5様の表現が並ぶ。
藤本さんは「決して王道ではない、脇道の焼き物作品。陶芸の枠にとらわれず、自由でマイペースにものづくりをしている、そんな人間の存在を知ってもらえれば」と話している。
午前11時から午後6時(最終日は5時)まで。
問い合わせは同ギャラリー(℡073・431・8255)。