福祉局長ら22人処分 和市が自治会長の詐欺巡り
公共工事の落札業者に対し協力金として現金を要求したとして、和歌山県和歌山市芦原地区の金井克諭暉(よしゆき)連合自治会長(63)が詐欺の容疑で逮捕された件で、和歌山市は18日、局長や部長ら職員22人を処分したと発表した。
市によると、2016年11月に業者から当時の工事担当課長に電話で「連合自治会長から協力金を要求された。どうしたらよいか」との相談があったが、事業担当部長や工事担当部長は報告を受けたものの適切な対応をしなかったという。市は事業担当部長(現福祉局長)を戒告、工事担当課長(現建築住宅部長)を訓告、工事担当部長(現財政局長)を厳重注意とした。
金井容疑者の妻が経営するスナックのパーティー券を、歴代の人権同和施策長が局長級職員らに販売し、芦原連絡所の会議室や芦原文化会館の倉庫などに金井容疑者の私物が置かれていたにもかかわらず、撤去を求めず放置していたとして職員を訓告や厳重注意の処分とした。
18日の記者会見で雑賀将吉人事課長は「長年にわたり悪しき習慣が続いていた。市民の信用を著しく失墜させ、誠に申し訳ございません」と陳謝した。尾花正啓市長は「今後、長年にわたる悪しき慣例を廃止するとともに、不当な要求に対しては、全体の奉仕者として毅然とした態度で接するよう職員を指導してまいります」とのコメントを発表した。
仁坂吉伸知事は19日の定例記者会見で和歌山市の処分について所感を問われ、「それほど多くの人が処分に当たるような行為をしていたのかとちょっとショックを受けた。(和歌山市には)これを良いきっかけに透明な行政をやっていただけたら」と述べ、県職員を対象とした調査については「途中経過になるかもしれないが、今月中には調査結果を報告したい」と述べた。