眺望性高め快適に 南海フェリー「あい」就航
和歌山、徳島両市を結ぶ南海フェリー㈱(阪田茂社長)は15日、新造船「フェリーあい」を就航する。12日には和歌山県和歌山市湊の和歌山港のりばで内覧会があり、報道関係者ら約120人が船内を見学した。
「あい」の就航により、現在運航している「つるぎ」(1997年就航)が15日午前8時の徳島発をもって引退する。
「あい」はサノヤス造船㈱(大阪市)の水島製造所(岡山県)で建造。船の大きさはつるぎとほぼ同じで、全長108㍍、幅17・5㍍、総トン数2825㌧。旅客定員427人。速力は通常18・7ノットで最大は21・46ノット。名前には、海を渡る旅は「私(I)が主人公」、「愛」する人と出会うための船旅、徳島名産の「藍」染めの三つの意味を込めた。
船内は藍色を基調とし、じゅうたん席やいす席、グリーン席などを用意。これまでいす席と同じ階にあったグリーン席をいす席より1階上に配置し、高い位置から紀伊水道を見下ろせるようにした。グリーン席といす席のシートはリクライニングができ、ゆったりくつろぐことができる。
じゅうたん席の一部を女性専用とし、船内エレベーターも初めて設置。案内表記や放送も多言語化を進めるなど、女性や障害のある人、外国人観光客らも利用しやすくなっている。
内覧会では座席やパウダールーム、船長室などが公開され、参加者らはグリーン席で大海原の流れを楽しみ、「眺めが素晴らしい」「早く乗りたい」などと話していた。
船体に青色のハートマークが描かれ、船内の各所にもマークが隠れていることから「インスタ映えするのではないか」と阪田社長。「京奈和自動車道が開通してから首都圏や中部圏からのお客さまが増えている。海外を含め広域のお客さまに利用していただければ」と期待を寄せている。
就航当日は和歌山港午前10時35分発、徳島港午後1時25分発の便で乗客先着100人に就航記念品をプレゼントする。