「蓮」を通じたベトナムとの平和外交 ~1063名の同志とともに訪問~
1月11日~13日の日程でベトナム第3の都市であるダナンを訪問してまいりました。ダナンは中部地方に位置し、日本政府が1月から領事事務所を開設するなど、地理的にも経済的にも要所となる都市です。既に、羽田・成田・関西からも直行便が飛んでいますので、今後日本との交流拠点となることが見込まれています。
今回、私たちの訪問団はベトナム社会主義共和国グエン・スアン・フック首相のお招きにより、17名の国会議員、6名の知事の皆さんをはじめ、和歌山から約200名の同志の皆さんも合わせて1063名の方々にご同行いただきました。
中でも、特筆すべきは、和歌山県及び県教育委員会のご理解により、県内から21名の高校生の皆さまも参加し、ベトナム高校生との間でホームステイ等を通じた青少年交流を図ることができました。
ベトナム滞在中にはフック首相の故郷である、クアンナム省にご招待いただき内外情勢や両国の課題について、まさに胸襟を開いた議論を重ねました。会談は日越双方の多くの関係者が参加し,大変友好的な雰囲気の中で行われました。
まず、昨年6月に私の故郷である和歌山県で「平和の象徴」ともいわれる「蓮」の交流が実現したことに感謝を伝えました。今回、日本の「大賀蓮」をフック首相の地元のクアンナム省に寄贈しましたが、両国の「蓮」の交流を通じて、改めて「平和外交」の重要性を、ベトナム政府要人と共有できたのではないかと思います。
また,これからの日越関係を担う若い世代の交流をしっかりと行っていくことの重要性について合意しました。私から今後5年間でベトナムの150名の学生を日本に招待したい旨を伝えました。また,日本に対する理解を深めるため,本を寄贈することを提案し,フック首相も深く感謝されました。
さらに、双方の国民が相手国の果物をおいしく味わえるようになれば良いと思い、日本産「温州みかん」について、ベトナムへの輸出が可能になるよう、協議を始めることについて合意しました。
会談の後半では、技能実習生の問題が大きく取り上げられました。現在日本には約37万人のベトナムの方々が住んでいます。私からは,フック首相に対し,技能実習生がきちんと学んでいけるよう協力していくこと,また,特定技能により,多くの若い人材に日本に来ていただきたい旨、呼びかけました。一方で、現在、ベトナムの若者の活躍を妨げるような存在が問題になっている実態について、両国政府が協力して排除していくべきであると伝えました。
人口減少に伴う労働力不足、気候変動に伴う大規模自然災害、食糧自給率の低下等、深刻な課題を抱えるわが国にとって、ベトナムは心が通う非常に大切な友人です。「蓮」を通じて育まれてきた両国の友好関係が、この度の訪問をきっかけにますます深まることを期待しています。