相次ぐ休園や営業短縮 休校要請後初の週末

新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に、安倍晋三首相が全国に臨時休校を要請したことを受け、各地でテーマパークなどの臨時休園が相次ぎ、和歌山県内の大型施設や飲食店などにも動きが広がっている。要請から最初の週末を迎えた各施設や繁華街には、普段のにぎわいはなく、閑散とした様子が見られた。

和歌山マリーナシティ(和歌山市毛見)は2日から13日まで、ポルトヨーロッパと紀ノ国フルーツ村を休業し、園内の他の施設は引き続き営業する対応をとっている。

運営会社の和歌山マリーナシティ㈱によると、新型コロナウイルスの影響は当初、外国人観光客の減少にとどまっていたが、2月13日に県内で感染者が確認されて以降、国内の観光客にも広がり、団体のキャンセルが続くなど、影響が大きくなっている。

ポルトヨーロッパでのイルミネーションイベント「フェスタ・ルーチェ」は、臨時休園前の3月1日まで予定通り開かれていたが、感染拡大が来場のピークであるクリスマスシーズン後だったため、影響は比較的小さかったという。

黒潮市場、紀州黒潮温泉などの施設は営業を続けているが、一部テナントの営業時間短縮などが行われている。

商業施設や飲食店などにも営業時間を短縮する動きが拡大している。

JR和歌山駅前の近鉄百貨店和歌山店(同市友田町)は2~17日の営業時間を変更。1~5階の開店を通常より1時間遅い午前11時からとし、地下食料品売り場は従来通り10時から。閉店時間は午後7時で変更なし。店内は清掃を強化し、正面玄関にアルコール消毒液を設置。全従業員に手指の消毒とマスク着用を徹底している。

食料品売り場を訪れた市内の70代男性は「家族からは高齢だから外出を控えるように言われるが、地下で食料品を買うのが楽しみ。近鉄さんも何とか乗り切ってほしい」と話す。

同駅前のファストフード店は、入り口に営業時間短縮を知らせる張り紙をしている。同市美園町でクリニックを開業している60代の男性医師は「こういう対応はいいと思う。通勤は公共交通機関を使っているが、各実にマスクの着用率は上がっていて、和歌山は感染予防の意識が高いと思う。この危機を一人ひとりの心掛けで乗り切りたい」と話した。

イオンモール和歌山(同市中)専門店も1日から、開店時間を1時間遅らせ午前10時としている。

個人営業の店でも、時間短縮ではなく、臨時休業を選んだところが少なくない。同市北ノ新地で飲食店を営む50代女性は「政府が『この2週間が正念場』という報道を見て、スタッフと話し合い、2週間の休業を決めた」と苦しい選択の経緯を話した。

臨時休園を決めたポルトヨーロッパ(1日)

臨時休園を決めたポルトヨーロッパ(1日)