県内は前年比14.3ポイント減 2月の宿泊客

新型コロナウイルスの感染が拡大した2月の宿泊施設の稼働状況が、前年より大きく落ち込んだことが、公益財団法人九州経済調査協会(福岡市)の独自推計で分かった。外国人観光客の多い地域ほど影響が大きい傾向がみられ、地域別で近畿は沖縄に次いで下落幅が大きかったが、和歌山県の落ち込みは全国平均より小さかった。

同協会は、大手宿泊予約サイトの空室状況データを基に、旅館やホテルの稼働状況を示す「宿泊稼働指数」を独自に算出。過去1年で最も稼働状況が高かった日を100とし、日々の指数を月ごとに平均し、分析した。

2月の全国の宿泊稼働指数は33・7で前年比19・0ポイント下落し、比較可能な2019年7月以降、最大となった。

20年1月末から2月前半にかけては、中国で団体旅行の渡航禁止措置がとられたことなどにより外国人客が減少し、2月中旬以降は国内イベントの中止や延期が増え、26日に政府が大規模イベントなどの中止または延期、規模縮小を要請したことを受け、国内客の宿泊キャンセルの影響が出たと考えられる。

地域別の下落幅では、沖縄が最大の28・0ポイント、次いで近畿が27・8ポイントで、北海道26・1ポイント、南関東25・2ポイントと続いている。いずれも延べ宿泊者数に占める外国人客の比率が2割を超える地域で、インバウンド減少の影響をより強く受けているとみられる。

都道府県別の宿泊稼働指数は、大阪府が前年比36・4ポイント減の15・7で、下落幅は全国最大。和歌山県は同14・3ポイント減の33・0で、近畿2府4県では最も高い水準にとどまったものの、大きく影響を受けている。

全国では、プロスポーツキャンプの開催などにより、宿泊稼働数が比較的高い水準だった地域もあるが、同協会は「地域経済への影響は大きく、3月以降の動向を注視する必要がある」と見ている。