感謝と希望を 聖火ランナー東嶋亜里子さん
「プラダー・ウィリー症候群」という難病を抱えて生まれた。満腹中枢の障害により、いくら食べても満足感が得られない。自閉症スペクトラム症や知的障害もあり対人関係の苦手さも。体幹が弱いので長時間の歩行は難しい。それでも聖火ランナーに応募したのは同じ病気や障害のある人、これまで支えてくれた人に感謝と希望、感動を伝えたいから。「笑顔で元気に走りたい」と力いっぱいに話す。
障害があっても何事にもくじけることなく剣道や水泳、陸上などのスポーツに打ち込んできた。基礎代謝を保とうと小さい頃から自宅で毎日筋トレやストレッチを20分間行うのが日課。通学する和歌山県立支援学校ではサッカークラブに所属して汗を流す。
走ることや運動することが大好き。昨年3月には陸上と水泳で海南市スポーツ奨励賞を受けた。同年行われた県障害者スポーツ大会では陸上と水泳で金メダル、フライングディスクで銀メダルを獲得している。
「走るのはしんどいけど楽しい」と話す東嶋さん。聖火ランナー決定の知らせを聞いて家族と喜びを分かち合った。東京五輪では陸上競技の400㍍リレーが楽しみ。大勢の人が注目する中で走るのは苦手だが「笑顔で頑張って走ります。支えてくれた人に元気な姿を見せます」と気合十分だ。