茨城県の個性あふれる「梅酒」

前号では、茨城県鹿嶋市で東京五輪のサッカー競技会場の一つとなる県立カシマサッカースタジアムを取り上げた。今週から、茨城県の特産品や土産品を紹介していきたい。
本コーナーのタイトルの由来となっている「梅」。以前、偕楽園の梅林で育った梅の実が市民に配布されることを取り上げたが、県内では梅の生産や加工品の製造が盛ん。
主に生産されている梅の品種は「白加賀(しらかが)」と呼ばれるもの。白加賀は主に関東地方を産地とし、国内で最も生産量が多い品種とされている。
江戸時代から栽培されてきた品種で、種が小さく果肉が緻密で肉厚であることが特徴。実のサイズは25㌘から30㌘程度で、和歌山県の南高梅や古城梅とほぼ同じ。青梅で梅干しや梅酒、梅シロップなどに加工される。
茨城県は関東屈指の酒どころで、日本酒や地ビールの製造技術を用いて梅酒を製造する酒蔵が多く、さまざまな種類が存在。
地ビールの酒造メーカーが作る梅酒を飲んでみた。ビールの製造に欠かせないホップに梅を漬け込み、フルーツシュガーを加えた梅酒は、梅の風味と甘さが際立ちながらもさらりとした軽い食感が特徴。
他にも梅酒をベースにシソや巨峰、柚子などを漬けたフレーバー梅酒や、地元名産の清酒をベースにした梅酒が多数あり、個性のある梅酒の存在がご当地の特徴といえる。
和歌山県産とは違った梅酒の楽しみ方ができる。梅でつながる茨城県。ぜひ、お気に入りの梅酒を見つけてみてほしい。
(次田尚弘/水戸市)