和歌山の魅力満載 パパチカの塗り絵第6弾

子育て中の父親たちのサークル「パパチカ」(和歌山県和歌山市、中嶋繁樹代表)が作成している「わかやまのぬりえ」の第6弾が完成した。県内各地の名所、名産に加え、地元ならではの風物詩や伝承なども題材にした新作14点が収録され、家族で塗って楽しみながら、和歌山の魅力に親しめる。中嶋さん(45)は「第10弾までは作りたい」と意気込み、活用を呼び掛けている。

パパチカは2013年2月に結成し、現在のメンバーは20~40代の約20人。父親がなかなか子育てに参加できていないこと、和歌山の魅力を知らずに暮らしている人が多いのではないか、との問題意識から、親子で一緒にできる塗り絵のアイデアが生まれた。

市の補助事業に採択され、第1弾を発刊したのが14年2月。市内の幼稚園や保育所の子どもたちに配ったところ大好評で、続編を作ることになった。

第2弾以降は企業の協賛を募って作成し、今回の第6弾は24社・団体が協力している。シリーズ累計で塗り絵は85種類、無料配布してきた冊子は9万冊以上となった。

第6弾のイラストは、和歌山市の人気イベント「竹燈夜」や「紀州よさこい祭り」、新築移転した市民図書館、印南町のかえる橋、日高川町の道成寺に伝わる安珍・清姫の物語などの名所や文化に加え、県内の家庭でよく作られている「梅ジュース」、和歌山の夏を沸かせる高校野球、防波堤でのつりの様子など、風物詩や和歌山ならではの日常の光景も描かれている。

イラストの担当は会員の藤田征宏さん(39)。副代表の額田康夫さん(45)らメンバーが出す「無茶ぶり」な題材のアイデアを形にしてきた。今回も、シリーズ当初からおなじみの4~5歳ぐらいの女の子と男の子が登場し、かわいらしい笑顔で和歌山の魅力を満喫している。

「ここまで長く続くとは思っていませんでした」と会員の寺崎昭さん(47)。額田さんは「応援してくれる皆さんのおかげ。アイデアはまだまだあります」と話し、藤田さんも「塗り絵作りがすっかり日常になってきた感じがありますね」と笑う。

塗り絵は子どもや親が楽しむだけでなく、高齢者の機能訓練に活用されるなど、思い掛けない反響も呼んでいる。

中嶋さんは「子どもが落ち着く年齢になったら、塗り絵で知った場所に家族で出掛けてくれるかもしれない」と話し、塗り絵をきっかけに、和歌山の魅力に直接ふれてくれることを願っている。

第6弾までの全イラストはパパチカのホームページでダウンロードできる。冊子の希望や問い合わせは中嶋さん(℡090・6551・1287)。

 

第6弾の冊子を手に(左から)寺崎さん、藤田さん、中嶋さん、額田さん