生産能力1.5倍に セイカが西浜に新工場竣工
電子部品などの原料製造・販売を手掛ける化学メーカー・セイカ㈱(和歌山県和歌山市南汀丁)の新工場「和歌山工場」が同市の西浜工業団地に完成し、24日に工場敷地内で竣工式が行われた。
同社の歴史は、染料・顔料中間物の製造メーカーとして1955年に生まれた和歌山精化工業㈱(現在はグループ会社)にさかのぼる。セイカ商事㈱を経て2005年に現社名となった。スマートフォンや電気自動車(EV)などの製造過程で使用される高機能性ポリマー原料を製造・販売しており、特に芳香族ジアミンの「DPE/ODA」は国内で同社以外に製造しているメーカーがなく、高い世界シェアを誇る。ことし5月に創業65周年を迎える。
和歌山工場は同社にとって海南工場に続く2カ所目の製造拠点で、敷地面積は6万1000平方㍍。製造設備「SW―Aプラント」では主力製品「DPE/ODA」を生産する。2拠点での製造により同製品の生産能力はこれまでの約1・5倍となる。敷地内には新たな研究開発拠点「未来創造館」も完成し、研究開発能力のさらなる向上に期待がかかる。稼働開始時期は
SW―Aプラントが6月上旬、未来創造館は5月上旬を予定している。
竣工式は新型コロナウイルスの感染を防ぐため当初の予定より規模を縮小して実施。社員や施工、金融関係者ら約50人が出席し、神事やテープカットを行った。竹田純久社長はあいさつでSW―Aプラントの完成による供給力の向上にふれ、「本当にたくさんの方のご尽力があってきょうを迎えることができた。感謝申し上げます」と話していた。