漂流者の救助で感謝状 海南海保が2人に

漂流していた人を救助したとして、海南海上保安署は5月30日、寝屋川市の川口浩司さん(59)と交野市在住の吉井勝美さん(54)の2人に感謝状を贈呈した。

同署によると5月2日、和歌山県日高町由良港沖で橋本市の50歳(事故当時)と65歳(同)の親戚同士の男性2人が釣りをしていたミニボートが浸水し、転覆。川口さんと吉井さんは、知人の釣り船を借りて同港付近で釣りを楽しんでおり、釣り場を変更するために同所を通り掛かったところ、「おーい。おーい」と叫ぶ声を確認。65歳の男性はクーラーボックスに、100㍍ほど離れた地点で51歳の男性がボートにつかまっている状態だった。

川口さんと吉井さんはすぐに2人を船上に引き上げ、ボートをけん引して由良町阿戸の船だまりに入港。連絡していた救急車に引き継いだ。

救助された2人は御坊市の病院に搬送されたが命に別条はなくけがもなかった。事故当時2人は救命胴衣を着用していて、携帯電話で118番通報をしていたが、防水措置がなかったことから第五管区海上保安本部と通話ができなかったという。

下津町の同署で行われた贈呈式には川口さんと吉井さんが出席し、福井明裕署長から感謝状を受け取った。

福井署長は「迅速かつ的確な救助活動をしていただいたことに深く感謝します」と述べ、川口さんと吉井さんは「うれしい気持ちでいっぱいですが海の怖さを再認識しました」と話した。

感謝状を受け取った吉井さん(前列中央)と川口さん(同右)

感謝状を受け取った吉井さん(前列中央)と川口さん(同右)