被害者の支援は総合的に 活動員の養成講座
犯罪被害者や遺族の相談を受け、裁判の付き添いなどの手助けをする「被害者支援活動員」を目指す養成講座の1回目が13日、和歌山県和歌山市雑賀屋町の土地改良会館で行われた。
公益社団法人紀の国被害者支援センターが開催。同団体の活動員は約40人で、昨年は624件の相談・支援を行った。この日は公開講座として行われ、自宅から映像で参加する人も含めて約10人が参加した。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、講座はウェブ会議ツールを使って実施。大分県立看護科学大学の関根剛准教授がスライドを映しながら「犯罪被害者支援とは何か」の演題で講演した。
関根准教授は犯罪に遭った被害者は心身への痛みの他、事情聴取や裁判などの現実的な痛み、犯人の出所による不安など、さまざまな痛みを抱えているため、被害者支援には相談を受けるだけでなく、総合的な支援が必要であり、自身に合った支援を行うように説明。
支援については危機への介入や生活サポートのような早期支援や、法律、カウンセリングなどの専門的支援、幅広い支援をコーディネートをする役割などの種類があり、民間団体には長期的な支援とコーディネートの中心という役割があるとした。関根准教授は「被害者に直接関わる人には、被害者のリアルな痛み、『被害に遭う』ということを理解する必要がある。専門家をコーディネートしてうまく誘導するのがセンターの役目」と受講者に話した。
講座はあと4回行われ、専門コースを受講した人がボランティア支援員として啓発活動に参加する。