市街地の活性化に期待 みぎわテラスが竣工

和歌山市の中心市街地再開発事業として整備が進められてきた、福祉・教育・住居・商業が一体となった複合施設「MIGIWA TERRACE(みぎわテラス)」が9日、和歌山城に近接する西汀丁交差点南西角に完成した。竣工式が行われ、事業主の㈱和通(同市黒田、中田宏史代表取締役)と学校法人山本学園(同市南汀丁、山本文子理事長)をはじめ、事業関係者ら約60人で祝った。

「和歌山都市計画北汀丁地区第一種市街地再開発事業」として、2018年6月から建設工事が行われていた3棟からなる施設で、建築敷地面積は約1300平方㍍。昨年8月には、山本学園が運営するIBW美容専門学校の和歌山城キャンパス新棟(B棟)が一足早く竣工し、すでに美容を学ぶ若者たちが集う場所となっており、住宅型有料老人ホームと分譲マンション、レストランなどからなる残り2棟(A・C棟)の完成が待ち望まれていた。

A・C棟の2~3階部分は、和通が運営する住宅型有料老人ホーム「シルバーレジデンス城西」。デラックスルーム8室、スタンダードルーム18室の26室を設け、移り変わる和歌山城の四季を間近に楽しみながら、入居者が生き生きと快適な暮らしができる空間とサービスが整えられている。

C棟1階では、㈱河北食品(同市栄谷)がレストラン「migiwa standard(みぎわスタンダード)」を営業。A棟1階には今後、ペットショップが開業を予定している。

A棟4~13階は、㈱フージャースコーポレーション(東京都)が販売する分譲マンション「デュオヒルズ和歌山城」。和歌山城近辺ならではの、高い利便性とロケーションの両方を満たした立地となっている。

設計・管理は㈱東畑建築事務所(大阪市)、施工は㈱淺川組(和歌山市小松原通)、電気設備工事は㈱きんでん和歌山支店(同市十一番丁)、機械設備工事は㈱小向商会(同市小松原通)。コンサルティングを㈱都市問題経営研究所(大阪市)が手掛けた。施設の完成により、中心市街地の都市機能の充実、人口増加、にぎわい創出などが期待される。

竣工式では、神事に続いて和通の中田代表取締役が「たくさんの皆さんの力添えで立派な建物を完成させることができた。末永く愛されるよう、今後も頑張っていく」とあいさつ。山本学園の山本理事長も関係者への感謝を話した。

尾花正啓市長は、人口が減少した中心市街地の再開発事業の重要性を強調し、「まちなかに住んでもらうには便利で魅力がなければならない。みぎわテラスはその核となる施設であり、発展を願っている」と祝福した。

関係事業者への感謝状贈呈やテープカットが行われ、出席者は真新しい施設内を見学した。

 

テープカットで竣工を祝う出席者ら

 

シルバーレジデンス城西の多目的室