大きくて身に弾力 加太でタコつぼ漁最盛期
和歌山市加太で、海中につぼを沈めてタコを捕る「タコつぼ漁」が最盛期を迎えている。ことしは大きめのタコが水揚げされているという。
加太漁業共同組合によると、昨年度の漁獲高は9トン超。タコつぼ漁をするのは20年前には10軒ほどあったが、現在は4軒になったという。25年間タコつぼ漁をしている小浦裕司さん(42)は、タコの〝気持ち〟が分かるほど熟知しているという。
タコつぼ漁は、岩陰にしがみつくタコの習性をうまく利用した漁法。つぼに餌を仕込み海底に沈め、1~2日放っておき、それを引き揚げると、つぼの中にタコが入っている。
以前は重い素焼きのタコつぼを沈めていたが、最近はプラスチック製のタコつぼを投げ入れる。
タコつぼはローラーを使って巻き上げるが、この作業と、つぼを投げ入れる作業は危険を伴うという。普段にこやかな小浦さんだが、このときばかりは表情が厳しくなる。
小浦さんは「タコは大きくて生で食べ切れなくても冷凍し保存できます。冷凍したタコは柔らかくておいしいですよ」とにっこり。「加太の海、そして漁が大好きです。一瞬の気の緩みが危険なことも知っています。家族のためにも安全に漁を続けたい」と笑顔で話した。