高台にそびえる「和大」と「ふじと台」

前号では、大阪府南部と和歌山県北部を結ぶ総延長20・6㌔の「第二阪和国道」の歴史と開通による効果を紹介した。
取材機はさらに南下し県境へと差し掛かる。岬町上空から南の方向を望む。眼下に見える蛇行した道路は第二阪和国道で、奥には和歌山市街が見える。
第二阪和国道の右側、高台の広大な土地は通称「ふじと台」。和歌山市の貴志地区に位置し、和歌山大学、イオンモール和歌山、造成された宅地が広がる。
この地の造成は、和歌山大学教育学部と経済学部の移転統合に始まる。昭和52年に移転を決定し、吹上にあった教育学部を昭和60年、西高松にあった経済学部を昭和62年に、栄谷キャンパスへ移転統合。その後、平成7年にシステム工学部、平成20年に観光学部が設置され、現在は約4000人の学生の学びの地となっている。
平成24年4月には和歌山大学駅が開業。時期を同じくしてイオンモール和歌山がオープンしたことは記憶に新しい。平成27年9月には第二阪和国道の大谷ランプ―平井ランプの開通と同時に、市道中平井線が全線開通し、第二阪和国道から直接この地区へアクセスできるようになり利便性が向上した。
宅地造成されたニュータウンエリアは現在も開発が進む。計画人口は約6500世帯、3万人以上という。高台にそびえる学びと住まいの街。ふじと台のテーマとされる学園城郭都市の名にふさわしい街の構えが上空からも見て取れる。地域のさらなる発展を期待したい。(次田尚弘/岬町上空)