戦後75年に思い寄せ 音奏人が新アルバム

音楽グループの「音奏人(かなでびと)」はミニアルバム『夜明けの時~陽は昇る~』を発売した。

和歌山県海南市の「ミュージックエージェンシーリベラ」(赤在依美代表)がプロデュース。音奏人はクラシック音楽奏者で構成しながら、ジャズやJポップともコラボレーションし、幅広い世代に音楽の魅力を伝えている。

広島、長崎に原子爆弾が投下されてから75年目の夏を迎えることし、平和の大切さや命を尊さを音楽を通じて語り継ごうと制作した一枚。

今回は、口笛奏者の分山貴美子さんを迎え、7人で織りなす音の世界。メンバーは峰りえさん(ソプラノ)、猪村浩之さん(テノール)、押川浩士さん(バリトン)、中野雅子さん(ピアノ)、笠原本章さん(ベース)、中沢剛さん(ドラム)。作詞は森紀吏子さんが手掛けた。

オリジナル3曲を含む全6曲を収録。このうち「橄欖(かんらん)の木の下で」は、戦争や紛争などが繰り返される世の中で、愛する人を失ってしまう耐え難い苦しみを歌い上げている。怒りや憎しみの連鎖で尊い命が奪われることに、力強く「いいですか それでいいですか」と問い掛ける歌詞が印象的で、かすかな希望も込められている。

CDタイトルにもなっている「L'Ora dell'alba~夜明けの時~」は穏やかなメロディーが心地よい曲。猪村さん、押川さんの伸びやかな歌声に分山さんの美しい口笛が響く。

その他、「癒やしのクリスタルボイス」と評価の高い峰さんによる「I See You」(中野さん作曲)「Ave Maria」(カッチーニ作曲、中野さん編曲)も。日本の代表的な歌曲「荒城の月」を中野さんが編曲し、分山さんの口笛と押川さんが、それぞれの感性で独自の世界観をつくり上げて収めている。

2200円(税込み)。インターネット通販サイト「アマゾン」で販売。問い合わせはリベラ(℡073・484・2268)。

 

音奏人による新アルバム『夜明けの時~陽は昇る~』