美観促進の取り組み「中央通り」

前号では、市街地を流れる一級河川「和歌川」と岸辺に設けられた河川公園の魅力を取り上げた。さらに広域で市街地を見ると南北を貫く道路が見えてくる。県庁前交差点を終点とする国道24号、26号、42号だ。今週は市街地を通るこれらの国道を指す、通称「中央通り」を紹介したい。
中央通りは宇治交差点から紀三井寺交差点を結ぶ約7㌔の区間。市はこの区間をはじめとする市内の道路、駅前広場、観光地に対し「和歌山市美化推進及び美観の保護等に関する条例」を制定している。地域の環境美化の促進や美観の保護を図り、快適な生活環境の確保を目指すことが目的で、平成4年、全国に先駆けて制定。
市民の責務として空き缶などのごみを持ち帰ることや路上喫煙、飼い犬の散歩に対する配慮を、自動販売機等で飲料等を販売する事業者には一定量以上の空き缶を回収する容器の設置を求めるなど、美観保護に対する強い思いがうかがえる。
同時に市内の主要箇所を「特定美観地域」に指定。宇治交差点から県庁前交差点は平成4年11月、県庁前交差点から紀三井寺交差点は平成6年6月に指定され、市や地域住民が一体となった清掃や啓発活動が積極的に行われている。
さらに、電線共同溝の設置による無電柱化も進み、宇治交差点から高松交差点にかけては既に整備済み。紀三井寺交差点にかけての秋葉町、和歌浦、和歌浦東、津屋の地域も既に事業中となっており、中央通りの美観促進が進められている。車での走行に限らず、歩いて楽しめるまちづくりも進む中央通りを散策してみては。
(次田尚弘/和歌山市上空)