皮ごとかんきつゼリー 新製法でクラファン

〝フルーツ王国〟和歌山産のかんきつ類を皮ごと全て使った新しいゼリーが誕生した。和歌山県白浜町の㈲福亀堂(野村和生代表取締役)が開発し、クラウドファンディングを活用して限定販売中。フードロスの削減にもつながると注目されており、県は、クラウドファンディングを活用した県内事業者の取り組みを支援する事業で、同社のプロジェクトを支援対象に認定した。

認定されたプロジェクト名は「過熱水蒸気加工で皮も丸ごとぜんぶ使った柑橘ゼリーをお届けします。」。今回のゼリーは、同社と㈱VSフィット(田辺市)が共同開発している製法「過熱水蒸気加工」で作られている。水蒸気をさらに加熱した200度以上の過熱水蒸気でかんきつ類の果実を焼くことにより、栄養を損なうことなく、皮も丸ごと全部食べられるゼリーの開発に成功した。

過熱水蒸気加工は、ほぼ無酸素状態で焼くため、果実が焦げない。軟らかくなった皮は丸ごと裏ごしし、加工後の検査では残留農薬も検出されていないという。さらに、傷の多い果実なども商品化できるため、食品を捨てる「フードロス」の削減が大きく期待される。

ゼリーは砂糖と希少糖で甘さ控えめに仕上げており、ジャムのようにパンやヨーグルトと合わせて食べるのもオススメとのこと。製造予定の品種は、温州みかん、不知火、三宝柑、ポンカン、ハッサク、ネーブル、甘夏、ジャバラなど多彩で、和歌山のかんきつを新しいスタイルで楽しめる。

同プロジェクトはクラウドファンディングサイト「Makuake」で29日まで受け付け、募集金額は1500~8000円。目標金額の20万円をすでに突破している。

認定したプロジェクトに対し、県は県内金融機関や支援機関と連携し、実現に向けた支援を行い、その後の事業展開も後押しする。

 

皮も丸ごと使った新しいかんきつゼリー(クラウンドファンディングサイトより)