無症状でも要注意 コロナ6割が入院後に発症
和歌山県は2日、新型コロナウイルス感染症の県内感染者について、陽性判明時は無症状だったものの、入院中に6割の人が発熱やせきなどの症状が出ているなどとする分析結果を発表した。県福祉保健部の野㞍孝子技監は「第2波は無症状者や軽症の割合が高いが、最初に症状がないからといって安心できない」と話した。
県内で8月31日までに感染が確認された230人を対象に分析。陽性判明時に無症状だった52人のうち、62%の32人が入院中に発熱やせきなどの症状が出た(軽症21人、肺炎9人、重篤1人、死亡1人)。21%の11人に肺炎以上の重症化が見られた。退院まで無症状のままであったのは38%で20人だった。
陽性判明時に症状があった178人のうち、肺炎以上の重症度となったのは43%で76人だった。
無症状の人の割合は第1波は6%だったのに対し、第2波では11%に増加。退院後に目の奥の痛みを感じたり、思うように食事がとれなかったりしたケースが数件あったという。
また、県内では病院や学校、競輪場、ダイニングバーなどで集団感染が発生。県はそれぞれの事例から得られた教訓として、競輪場については閉鎖空間での呼気を伴う激しい運動は感染拡大につながること、ダイニングバーについては、店を訪れた若者が夜遅くまで飲食やカラオケをして集団感染が発生し、家族や友人などへの感染につながったとした。
野㞍技監は入所者やスタッフが新型コロナに感染したもののクラスターの発生には至らなかった上富田町の福祉施設について、「入所者が個室におられたことが大きかったのでは」との見方を示し、スタッフは感染したものの利用客の感染は確認されなかった「ねむの木食堂」(田辺市)については、「調理に従事していた方が感染したので大変心配したが、食堂が換気をして利用客同士の間隔を開けるなど対策をしていたのが大きかったのでは」と話した。