高齢者の詐欺被害防ぐ 西署が3人に感謝状

特殊詐欺被害を未然に防いだとして、和歌山西署は17日、和歌山県和歌山市の宇須郵便局局長の野尻勝大さん(36)とセブン―イレブン和歌山塩屋一丁目店オーナーの柳友啓さん(52)、アルバイトの田中智香さん(26)に感謝状を贈った。

同署によると、同郵便局に3月10日、女性(当時88歳)が1400万円が当選したという文面の封書を持って、「6000円の為替送金をしたい」と訪れ、職員が内容を確認。送り主の住所が不明で、文章が不自然だったことから職員が外出中の野尻局長に電話し、女性から同じような内容で相談を受けていた野尻局長は110番通報。警察官と共に女性を説得した。

また、4月15日には男性(当時93)が趣味の画材を購入したいと高額の定期預金を解約し、キャッシュカードを作った。その後、男性からカードの限度額を上げてほしいと電話があり、不審に思った野尻局長は男性の自宅へ。男性が覚えのない団体に偽名で加入していて、800万円を請求する電話があったことを聞き、その場で通報した。

セブン―イレブンには7月29日、男性(当時82歳)がグーグルプレイカードを購入したいと訪れ、対応した田中さんはスマートフォンを持たず、カードの使い方も知らない男性が購入するのを不審に思い柳さんに相談。柳さんの通報で駆け付けた警察官が男性に確認すると、パソコンに表示された通知を見て、ウイルスの除去費用を振り込もうとしていたことが分かった。

3人に島泰弘署長から感謝状が手渡された。野尻局長は「地元に密着する郵便局だから、お客さまの行動や変化に気付けたと思う。今後もお客さまの財産を守れるよう努めていきたい」、田中さんは「男性がお金を払わずに済んで良かった。今まで以上に対処できるようになれば」、柳さんは「(特殊詐欺は)まさかと思いつつ、スタッフには注意を呼び掛けていた。少しでも被害が防げて、地域の貢献につながって良かった」と話していた。

(中央左から)野尻局長、柳さん、田中さん

(中央左から)野尻局長、柳さん、田中さん