菅総理を全面的にサポート 官民でデジタル化の加速を
日本憲政史上最長の3188日の間、総理大臣を務められた安倍晋三先生に代わり、9月16日、新しく菅内閣が誕生しました。
私は、第1次安倍内閣で「広報担当総理大臣補佐官」を務め、第2次安倍内閣以降は「内閣官房副長官」を経たのち、「経済産業大臣・ロシア経済分野協力担当・国際博覧会担当」等の最重要閣僚の一人として安倍前総理を近くで支えてまいりました。安倍前総理はアベノミクス「3本の矢」により日本経済を再生し、また、「地球を俯瞰する外交」を掲げ、延べ176カ国を訪問、世界各国と深い信頼関係を築かれています。日本の存在感を高め、安全保障面も大幅に強化されました。内閣官房副長官として何度も首脳会談に同席させていただきましたが、安倍前総理の各国トップとの卓越した会話術・交渉術に、ただただ敬服するばかりでした。
今年に入ってから、新型コロナウイルス感染症の拡大という未曽有の事態への対策などで147日間休みなく陣頭指揮をとられ、想像を絶する激務が続いていらっしゃいました。国民のために多くの功績を残された安倍前総理には、ご退任を機にゆっくりと治療にあたっていただきたいと願っています。
そして、新たに就任された菅義偉新総理とは、内閣官房長官と副長官という上司と部下の関係であった3年7カ月の間、数々の政策や諸課題の解決に取り組み、菅長官の大胆かつ冷静でぶれない采配を目の当たりにしました。これまでの経済政策や外交を安定的に引き継ぐだけではなく、新型コロナウイルス感染防止対策と経済活動を両立させて、大幅に減ったGDPを回復させるには菅新総理しかいないと確信しています。今回行われた自民党総裁選では、私は細田派の参議院会長としてメンバー37名をまとめ上げ、菅総理誕生に陰ながら貢献したと自負しています。
私自身は、参議院自民党幹事長を引き続き務めることとなりました。菅総理は、「役所の縦割り、既得権益、前例主義を打倒して規制改革を進めていきたい」とおっしゃっています。参議院をさらにしっかりと取りまとめ、菅総理を全面的にサポートしていきます。また、世界と比べても改善すべき点の多い「総理大臣の働き方改革」や「公文書管理のあり方」などについても、積極的に取り組んでいきたいと思っています。
さて、今回のコロナ禍により日本のデジタル化が大幅に遅れていることがはっきりと表れました。マイナンバーカードの普及もまだまだ時間がかかっています。新内閣では「デジタル庁」を創設する準備が始まっていますが、このビッグデータの時代に、民間企業の皆さんにもデジタルを使った新しいサービスなどを多く提供していただき、官民でデジタル化を加速していくことが大切です。そして、デジタル化先進国の中には「国民管理のツール」としてデータを誤って利用している国もありますが、決してこれを世界に広めてはなりません。「プライバシーはしっかり守りつつ、データを利活用する」という、自由主義・民主主義を大前提とするデジタルのルールを欧米と連携して進めなければいけないと考えています。
暑い夏が過ぎ、和歌山も秋のお祭りシーズンとなりました。残念ながら今年は開催が中止されているものが多いと思いますが、過ごしやすい気候のなか、ぜひとも県内の魅力的な景色やグルメをお楽しみください。ご自身や多くの方の命を守るため、手洗いやマスクなどの感染症対策に引き続きご協力をお願いいたします。