社殿の整備に向け 志磨神社が寄付募る

和歌山県和歌山市中之島の志磨神社(島束穂宮司)は、社殿と境内整備のための寄付を募っている。老朽化に加え、台風や豪雨による被害を受け、修繕や改修が必要だという。

同神社は1800年以上前に紀の川の中洲にあたる場所に開かれ、その後現在の位置に移された。戦国時代には境内が焼かれることもあったという。現在の本殿は江戸時代の享保年間に造られ、拝殿は1943年、神門は68年、結婚式や集会を行う崇敬会館は82年に造られた。本殿に関しては100年以上たっており、2018年の台風21号で神門の屋根が壊れ、ことし7月の豪雨で土壁は10㍍ほど崩壊してしまった。

建物の老朽化も進み、年号が令和に変わったタイミングで段階的に改修しようと寄付を募りはじめた。しかし、新型コロナウイルスの影響で多くの店や企業が休業し、収入や売り上げが減少する中で寄付を募るのが難しくなってしまった。同神社でもことしの4、5月は地鎮祭などの予定もなく、夏祭りも中止になっている。来年の初詣についても対策を考えていかなければならないという。

現在は神門の改修工事が始まっており、今後は土壁全体と崇敬会館の改修、本殿の修復を募金が集まり次第、順番に行っていきたいとしている。

島宮司(52)は「整備にどのくらいの月日がかかるか分からないが、できるだけのことをして次の世代に神社を継いでいきたいので、広く皆さんに協力していただければ」と呼び掛けている。

目標額は1億5000万円。振り込みは同神社の専用口座へ。問い合わせは同神社(℡073・422・1465)。

崩れた土壁を前に状況を説明する島宮司

崩れた土壁を前に状況を説明する島宮司