智弁が3位で近畿大会へ 高校野球県予選
【3位決定戦】
智弁和歌山 | 3 | 2 | 0 | 1 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 10 |
向陽 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 |
〔智〕武元、伊藤―石平〔向〕田中―東出▽本塁打=德丸2(智)▽3塁打=松下(向)▽2塁打=渡部、大仲、武元(智)田中(向)
智弁和歌山と向陽による3位決定戦で、智弁は1回表、3番・大仲の適時2塁打で1点を先制。続く4番・德丸が左中間に本塁打を放ち、さらに2点を加えた。2回に2点、4回に1点を加え着実にリードを広げると、5回には德丸が再び左中間に本塁打を放った。3点差に迫られて迎えた7回は相手の内野守備の乱れに乗じて一挙3点を挙げ、向陽を突き放した。
先発した1年生右腕の武元は5回こそ適時3塁打、味方の失策などで4点を奪われたが試合をつくり、中谷仁監督も「四球や失策で走者を出した後、踏ん張り切れないところはあったが悪くなかった。よく頑張って投げたと思う」と評価。6回から救援した伊藤は4回を投げて一人の走者も許さない完全投球を披露。6三振を奪うなど相手打線を圧倒し、中谷監督を「マウンドに上がると姿が大きく見える。(ベンチには)いつでも伊藤がいてくれるという安心感がある」とうならせた。
前日の逆転負けをものともしない大勝劇に中谷監督は「苦しい心理状態だったが、選手たちは朝のあいさつからものすごく元気を出してくれていた」と選手たちをたたえ、近畿大会に向け、「県3位なので失うものはない。自分たちの良いところを試合でしっかり出せるように準備し、何が何でも勝つという気持ちで各府県の1位校にぶつかっていきたい」と闘志をみなぎらせた。
向陽は前日の準決勝で142球を投げた田中がこの試合も完投。13安打を浴びるも9三振を奪い、本格派右腕の意地を見せた。打線は5回に相手の失策、1番・松下の適時3塁打などで4点を返したが、その後は智弁の2番手・伊藤の前に沈黙した。
山本慎監督は「ミスが大きかった。勝負を楽しんでいこうとしたが、立ち上がりに失点してしまった。智弁さんとは個人個人の身体能力に差があると感じた」と振り返った。4失策と乱れた守備について「普通にやれば起こるはずのないプレー。原因は技術なのかメンタルなのか分からない。一つのミス、失策の重さを選手たちは分かってくれたのではないかと思う」とし、大会を振り返って「何試合もできたのは大きい。打撃では甘い球を捉える確率の向上が課題。きょうも田中の球は通用していたと思うが、(上を目指すには)投手1人では厳しい」と話していた。