智弁センバツ微妙に　打線が小園の前に沈黙

２５日に行われた秋季近畿地区高校野球大会の準々決勝。和歌山県３位で出場の智弁和歌山は打線が振るわず市和歌山に０―２で敗れ、来春の選抜高校野球大会への出場は微妙となった。

今大会の初戦で東海大大阪仰星（大阪２位）の好投手・高橋から１０安打を放ち８点を挙げた智弁打線。この日も前の試合と同じスタメンで臨んだが、市高のエース・小園を最後まで攻略できなかった。

１回から３イニング連続で走者を出すものの、本塁が遠い。２回は４番・德丸、３回は９番・大西がいずれも中前打で出塁したが、後続が倒れ無得点。６回は前の試合で本塁打を放った１番・渡部が内野安打で出塁し犠打と内野ゴロで２死３塁に。第１、第２打席ともに鋭い当たりを放っている德丸に打席が回ったが、直球を打ち上げ一邪飛に倒れた。德丸は「変化球は浮いていたと思う。直球を狙っていたが打ち損じてしまった」と振り返り、「あそこで１本打っていたらチームの勢いも変わっていたと思う。ストライクを１球で仕留めるようにならないといけない」と唇をかんだ。打線はその後も手元で動く球に苦しみ、７回以降は走者を得点圏に進めることができなかった。

先発の中西は、初回だけで３四死球を与えるなど制球に苦しんだ。２回以降は走者を許すも粘り強く投げ味方の反撃を待ったが、逆転はならなかった。

中谷仁監督は「完敗ですね。小園君は簡単に打てる投手ではない。３度目の対戦で対策はしてきたつもりだったが、つもりで終わった」と振り返り、小園の投手として優れているところについて「小さく変化する球が素晴らしい。打者は真っすぐに見えていたと思う」と語り、「もう一回、夏にはやり返せるようにやっていきたい」とリベンジを誓っていた。

戦況を見詰める選手たち