傍島さん出演「あの夏の絵」 11月22日公演

劇団・青年劇場の公演『あの夏の絵』が11月22日午後2時から、和歌山県和歌山市伝法橋南ノ丁の市民会館大ホールで上演される。被爆体験者の証言を聞いて絵を描くことになった高校の美術部員たちの実話をもとにした、「平和」に真正面から向き合った感動の作品。主人公で被爆3世の高校1年生・メグミを和歌山市出身の俳優・傍島ひとみさんが演じる。

広島市立基町高校が、広島平和記念資料館の依頼で取り組んでいる「次世代と描く原爆の絵」を題材にした作品。高校生が被爆体験者の証言に耳を傾け、半年以上をかけて証言に出てくる場面を絵に仕上げていく。同劇団の福山啓子さんが脚本を手掛けた。

物語は、被爆から70年の節目を迎えた2015年夏、広島市にある私立海陵学園高等部が舞台。祖父母が入市被爆をした被爆3世である美術部員のメグミは、顧問の岡田が持ち込んだ「被爆証言を聞いて絵に描く」取り組みに、迷いながらも参加することを決める。東京から引っ越してきた同じ美術部員のナナは友達よりも絵を描くことが大好きで、漫研と兼部しているアツトが気に入らない。岡田の提案で被爆証言は3人で聞くことになり、証言者・白井の話を聞いて心を突き動かされる3人だが、ある日ナナが学校に来なくなる…というもの。

バラバラだった高校生たちが、仲間を思い、人と心を通わせていく成長と平和が描かれている。

今回の公演は市民会館が主催。主役を演じる傍島さんは、同館の事業「和歌山演劇大学」の卒業生で、県立和歌山高校を卒業後、青年劇場付属養成所を経て2014年に同劇団に入団している。

同館は「和歌山市出身者が上京して頑張っている姿は、地域の皆さま、特に次代を担う子どもたちに勇気や希望を与えられるものと考えます」と話し、地元出身の俳優が演じる舞台への来場を呼び掛けている。

終演後は、出演者と和歌山演劇大学の講師を務める同劇団の佐藤尚子さんによるアフタートークも予定している。

チケットは前売り一般3000円、小中高校生1000円(当日は各200円増)。同館やローソンチケットで取り扱っている。未就学児は入場できず、一時保育希望者は公演の10日前までに同館に申し出る。

問い合わせは同館(℡073・432・1212)。

 

『あの夏の絵』の一場面。左端が傍島さん(和歌山市民会館提供)