鳥獣被害の軽減へ集中捕獲 鯨文化復活へ食卓への普及を

徐々に日の入りが早くなり、涼しい季節がやってまいりました。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は2点ご報告させていただきたいことがあります。
一つ目は、鳥獣被害について。
これまでは農作物の鳥獣被害が年々増加しているにもかかわらず、捕獲目標を明確に設定していなかったため、捕獲頭数が横ばいになっている傾向にありました。実際に今回も、現場の方々を含めさまざまな意見が飛び交い、やはり鳥獣がもたらす被害は甚大なものであると再認識させられました。そのために、この度、自民党鳥獣捕獲緊急対策議員連盟の二階俊博会長からのご指導の下、政府や各都道府県、関係団体等が連携し、本年の狩猟期にシカ、イノシシを集中的に捕獲する「集中捕獲キャンペーン」を実施することとしております。しかし、キャンペーンといってもただ「捕獲頭数を増やしましょう」と言葉だけでは今までと何も変わらない。目標を達成するためには全体で140万頭の捕獲が必要であるため、きちんと捕獲強化エリアを各都道府県で設定してもらい、抜本的な見直しをしました。和歌山県では11月1日~3月15日を中心に、ニホンジカは和歌山市・岩出市を除く県全域、イノシシは県全域でより集中的な捕獲をします。加えて、本キャンペーンの推進のため、12月6日に和歌山県田辺市で決起集会を開催する方向で、和歌山県猟友会を中心に調整が進められておりますので、お知らせいたします。また、これに先立ち、11月12日には、東京都内で全国決起集会が予定されておりますので、合わせてお知らせいたします。今年で被害を終わらせる、という決意のもとで、これらの会を開催し、本キャンペーンを強力に推進してまいります。ぜひ皆さま方からもご支援、ご協力をいただけますようお願い申し上げます。
そして実は、私が2年に渡って委員長を務めてきた自民党鳥獣被害対策特別委員会も、後述する捕鯨委員長に〝コンバート〟することで、後ほど宮腰元農林大臣にお願いすることになりました。ただし、党組織とは別の鳥獣対策議連の幹事長は引き続きですので今後も携わっていきますが、これが私の委員長としての最後の仕事となります。この集中捕獲キャンペーンをしっかりとやり遂げ、引き継いでいきたいと思います。
二つ目は、以前から記事に挙げていた、鯨について。先述しましたが、二の度の自民党役員人事におきまして、私、鶴保庸介は捕鯨調査会委員長に任命されました。今の捕鯨状況を考え、どうにかして鯨文化を復活させねばいけないと、自ら手を挙げました。
現在、日本はIWC(国際捕鯨委員会)を脱退し、商業捕鯨が可能となってから1年が過ぎましたが、約30年のブランクはなかなか取り戻せていません。まだまだ課題が山積みであるというのが現状です。
では、私は何をすべきなのかといいますと、やはり家庭の食卓に普通に鯨肉が並ぶようにすることが一番だと思っています。今の状況は、多くの人々がどこにいけば鯨肉が手に入るのかがわかっていない、つまりそれだけ世の中に流通していないのです。この原因は何かというと、鯨自体の捕獲頭数だと考えています。和歌山県の太地町は鯨漁で有名ですが、日本全体では定められた捕獲枠上限ほど鯨を獲っているのかというと、そういうわけでもありません。獲れる個体数が少なければ、流通する量も減る、価格も高くなるという流れになり、ますます皆さまの家庭へと届きにくくなっているのです。加えて、今の状況では鯨肉がどこで手に入るのかを知らない人々が大多数であることも事実です。つまり食べたくても鯨肉がない、どこで買うのかもわからないのが現状なのです。私としましては、この現状を変え、家庭の食卓に鯨肉が並んでいることが日常になることを目指しています。もっと皆さんに鯨のおいしさを知ってもらい、日本の鯨文化をどうにかして復活させたいと、いろいろな策を模索しているところです。
これを読んで下さった皆さんにも、鯨肉とはどういう肉なのか、どんな料理がおいしいのかと興味を持っていただけるとうれしいです。少しでも気になって調べてみることが鯨文化復活への第一歩となります。よろしくお願いします。