写真好きの憩いの場に 紙一枚工房オープン
長年「カメラの西本」で勤務し、退職後にアドバイザーとして活動した田中公康さん(68)が共に働いていた、であいのりこさん(63)と共に、写真について語り合ったり学んだりできるスペース「紙一枚工房」を立ち上げた。名前の由来はカメラの西本創業者の故西本貫一さんの残した「紙一枚の積み重ね」から。小さな努力も長い時間がたつと大きな差になるという師の教えを胸に、新たな一歩を踏み出した。
場所は国の名勝「和歌の浦」の明光通りから車両では入れない路地に構えた。事務所の名称は「モノクロハウス」。名前の通り、黒一色の外観に内装も黒と白のトーンを基本に、落ち着いた雰囲気となっている。
業務内容は写真販売、プリント、ポスターやカレンダーなどの制作だが、コロナ禍の情勢が変わればカメラ趣味の人が集い、写真談議に花を咲かせる場所でありたいと期待を寄せる。本棚にはカメラの歴史を学べる書籍が並び、クラシックカメラも手に取ることができる。
2008年8月から14年12月まで本紙で写真についてのコラムを連載してきた田中さんは「写真は紙からモニターやスマホの画面で楽しむ時代に変わってきたが、紙の一枚のプリント写真にこだわりたい」といい、「写真にもっと興味を持って歴史や文化を学んでもらえれば」と笑顔。日本風景写真協会の元理事で、数々の入賞歴を持つであいさんも「写真好きはもちろんのこと、地域の憩いの場になれば」と話している。
駐車場は近くに3台契約している。問い合わせは田中さん(℡090・8936・6554)。