5割超が支援策利用 コロナ影響で県内企業

新型コロナウイルスの企業活動への影響について、東京商工リサーチが行った第9回アンケート調査(10月5~12日)で、「影響が継続している」と答えた和歌山県内企業は71・8%と前回より0・4増え、政府や自治体の資金繰り支援策を利用した企業も3・6増の52・9%で初めて半数を超えた。感染防止と経済活動維持の間で中小企業の苦境が続いていることが浮き彫りになっている。

調査はインターネットで実施し、県内の有効回答は71社だった。

県内の企業活動への影響は、「継続している」の71・8%(51社)を最多に、「今後出る可能性がある」が16・9%(12社)で続き、「影響が出たがすでに終息した」が7・0%(5社)、「影響はない」が4・2%(3社)。3回連続で7割以上の企業で影響が続いている結果となった。

8月の売上高について、前年同月を上回った企業は25・0%(14社)にとどまり、75・0%の企業が前年割れの減収。景気の後退を示す結果となった。10月以降、ひと月でも売上高が前年同月の50%以下に落ち込む可能性があると答えた企業は19・3%(12社)だった。

政府や自治体、金融機関の各種給付金や融資などの支援策を利用した企業は52・9%で、今後利用する可能性があるとした企業23・5%と合わせて、前回より3・8増の76・4%に達した。利用予定はないと答えた企業は23・5%。

感染終息までの期間が長引いた場合、廃業を検討する可能性があるとした企業は8・2%(5社)で、検討時期は「4~6カ月」と「13~24カ月」が各2社、「25カ月以上先」が各1社。コロナ禍をきっかけとした業種・業態の転換については、考えていると答えた企業は27・2%に上った。

県内では新型コロナ関連の倒産は2社(10月23日現在)にとどまり、政府や自治体による資金繰り破綻を防ぐ施策が奏功しているとみられるが、感染終息のめどが立たない中、業績悪化に伴う可処分所得の低下が懸念されることなどから、同社は「すでに限界となりつつあった小規模零細事業者で倒産や廃業に追い込まれる企業が増加する可能性は否定できない」としている。