県景況6カ月連続で改善 帝国データ調査

帝国データバンクによる10月の景気動向調査で、企業の景況感を示す景気動向指数(DI)は、全国が5カ月連続改善の33・8(前月比2・2㌽増)、和歌山県内が6カ月連続改善の35・2(同2・4㌽増)となった。低水準ながら緩やかに持ち直しているが、新型コロナウイルスの今後の感染状況によって下振れリスクは依然として大きい。

全国のDIは、全10業界のうち「その他」を除く9業界、51業種中46業種で前月よりプラス。地域別では近畿を含む全10地域、42都道府県がプラスとなった。

業界別のDIは、「製造」が5カ月連続プラスの31・0(前月比3・2㌽増)で、7カ月ぶりに30を超えた。「サービス」は6カ月連続プラスの35・1(同1・2㌽増)、「小売」は2カ月連続プラスの34・8(同2・7㌽増)、「運輸・倉庫」は4カ月連続プラスの30・1(同2・0㌽増)だった。

県内DIの全国順位は前月の21位から18位に上昇し、近畿2府4県では3カ月連続1位。全国、近畿の平均をともに上回り、全国のDI33・8との差は拡大、近畿のDI32・4との差は縮小した。

規模別では、大企業は38・9(前月比9・7㌽増)、中小企業は34・8(同1・8㌽増)でいずれも改善。業界別では、製造業が31・3(同1・1㌽減)で4カ月ぶりに悪化し、非製造業は36・5(同3・5㌽増)で2カ月連続の改善となった。

先行きの見通しは3カ月後が38・9(前月33・9)、6カ月後が37・0(同36・3)、1年後が38・1(同37・1)で、2カ月連続して全ての時点で改善。底打ち感は出てきているが、新型コロナの影響が予想できないため、低位な状況が続いている。

同支店は、景況は回復基調にあるものの、依然として厳しい状況に変わりはないとして、「新型コロナの終息が読みにくい状況下で、当面の県内景況の本格的な回復には、いましばらくの時間を要する」とみている。

調査は10月19~31日にインターネットで行い、対象2万3695社(県内133社)のうち1万1448社(同63社)が応じ、回答率は48・3%(同47・4%)だった。