紀の川市で鳥インフル 県が対策本部を設置
和歌山県は10日、紀の川市内の養鶏農場で高病原性鳥インフルエンザが発生したと発表した。県内での高病原性鳥インフルエンザの発生は2011年以来2例目。県は対策本部を立ち上げ、10日午前8時から第1回対策本部会議を開き、同農場の採卵鶏約6万7000羽を殺処分することなどを確認した他、自衛隊の派遣を要請した。
県によると、9日正午に農場から県家畜保健衛生所に連絡があり、午後3時に同衛生所で簡易検査を行ったところ陽性が確認され、PCR検査でH5亜型の遺伝子を確認したという。県は10日午前9時から殺処分を開始。殺処分後の鶏は焼却する予定だ。
県は発生農場から半径3㌔以内の区域を卵、家きんなどの移動を禁じる「移動制限区域」、3~10㌔以内の区域を卵、家きんなどの区域外への搬出を禁じる「搬出制限区域」とし、同市の県農業試験場、紀の川市役所桃山支所、那賀支所、県海草振興局海草建設部、県海南工事事務所の5カ所を消毒ポイントに設定した。
対策本部会議で仁坂吉伸知事は「われわれも、ものすごく注意していた。残念だが発生してしまった」と話し、「鶏を処分する部隊を派遣していく。たくさんしなければいけないことが出てくると思う。最大限の努力をお願いしたい」と呼び掛けた。会議後の記者会見では「早急に殺処分を完了させ、他に波及することがないようにしたい。どこに問題があったかを突き止め、他の鶏舎に対する指導を強化していかないといけない」と述べた。