SDGs貢献プロジェクト JTがNPOを助成

日本たばこ産業㈱(JT)が、持続可能な地域社会の発展を目指して地域の団体の取り組みに助成する「SDGs貢献プロジェクト」で、大阪支社(大阪、和歌山、奈良)管内から和歌山県和歌山市のNPOわかやま環境ネットワーク(中島敦司代表理事)の事業「わかやま海洋サミットプロジェクト」が採択された。大阪支社管内では初めて。まずは海洋生物資源量の回復を足掛かりに、海洋文化の再生を目指す。

採択された取り組みは、約10年前まで潮干狩りが初夏の風物詩となっていた和歌浦干潟のアサリを増やし、潮干狩りを復活させ、その他海に関する取り組みを実施している学校や企業を集って発表や意見交換をする「わかやま海洋サミット」を開催するというもの。

同NPOの調査によると、和歌山市内の小学生の約9割が干潟という言葉を聞いたことがなく、アサリを食べたことがない児童は約3割にも上ったという。

アサリ資源は全国的にみても減少傾向にあり、さらに日本財団による「海と日本調査結果」によると若年層を中心に海に親しみを感じたり、海に接していると心地よく感じたりすることが少なくなっているデータもある。

こうした資源減少や海洋文化の喪失を食い止めるため、まずは海に関する取り組みを行っている小学校の児童らにそれぞれの活動を報告する場(サミット)を来年2月に提供し、4~7月には干潟での生き物観察会、食害防止ネットの設置など、潮干狩りの復活に向けた事業を展開していく予定だ。

助成の決定について大野大輔支店長(52)は「助成した側、された側という関係でなく、専門知識を教えていただきながら、一緒に末永く地域に根差した活動を行っていきたい」といい、同団体の臼井達也事務局長(49)は「すごくありがたい。励みになる」と謝意を述べた。

助成金額は121万9080円。

 

目録を受け取ったわかやま環境ネットワークの臼井事務局長㊧とJTの大野支店長