年頭のごあいさつ2021

リードローカルで風に乗る

明けましておめでとうございます。辛丑(かのと・うし)の年頭を迎え、読者の皆さまに謹んでごあいさつ申し上げます。
昨年は新型コロナウイルスにより、世界中が大きな影響を受けました。医療従事者、保健所関係者の皆さまをはじめ、われわれの生活を支えてくださっている全ての皆さまに、心より感謝申し上げます。
さて、ニューノーマルと称され生活様式が変わってきています。今までの当たり前が変わるという、まさに時代の変革期に入りました。当社もサービス業やイベント関係などの広告収入が激減し、感染リスクを感じながら日刊紙を発行している現状で、影響を受けている業態です。社内感染防止対策としてオゾン発生器を設置したり、40%の従業員にリモートワークを導入したり、社員の安全を考えながら時代に沿った働き方や事業展開を進めています。この変化がもたらしたものに向き合い、会社も地域も大きく成長するきっかけにしたいと考えています。
本年、掲げるスローガンは「リードローカル」です。二つの意味があり、一つは「Read Local」。地域の新聞や地域に関わる本を読んで住んでいる街を知り、地域を愛するきっかけをつくることです。もう一つは「Lead Local」。地方紙が地域のオピニオンリーダーとしての気概を持つことです。住んでいる皆さまに、地域を良くするリーダーという主体性を持ってもらいたいという思いも込めています。年内には賛同いただける方々と共に、リードローカルイベントを開催できればと考えています。住んでいる地域が豊かになるための「ローカルファースト」を推進してまいりますので、読者の皆さまにはお力添えのほどお願い申し上げます。
そして、昨年から業務提携をしている株式会社ロコガイドさんと共に、ICTを活用した地域発展につながる事業展開にも挑戦してまいります。昨年9月に、総務省が公表した情報通信メディアに関する調査では、10代から60代の全世代で「新聞」の信頼度が最も高いという結果でした。今まで完全な向かい風の中で、帆の張り方すら分からず順風満帆とはいきませんでしたが、これからの信用社会では新しい風も吹き始め、新たな仲間も加わり少しずつ風に合わせて帆を張れそうな気がしています。社是の「一筆同心」の通り、社員一丸となり、読者の皆さまとともに2021年を大きな成長の一年にする所存です。一層のご支援、ご愛読をお願いするとともに、皆さまのご多幸を祈念申し上げ、新年のあいさつとさせていただきます。

㈱和歌山新報社代表取締役社長 津村 周