コロナ禍で6割が支援策利用 県内企業調査
新型コロナウイルスの企業活動への影響について、東京商工リサーチが行った第11回アンケート調査(昨年12月1~9日)で、「影響が継続している」と答えた県内企業は75%、政府や自治体の資金繰り支援策を利用した企業は60%に達した。感染防止と経済活動維持の間で中小企業の苦境が依然として続いている。
調査はインターネットで実施し、有効回答1万657社のうち県内の60社分を集計した。
和歌山県内の企業活動への影響は、「継続している」の75%(45社)を最多に、「今後出る可能性がある」が15%(9社)で続き、「影響が出たがすでに終息した」が6・7%(4社)、「影響はない」が3・3%(2社)。今後を含めほとんどの企業が影響を受けている結果となった。
11月の売上高について、前年同月を上回った企業は18・3%(11社)にとどまり、前年割れが48・3%(29社)、同水準が26・7%(16社)だった。
国や自治体、金融機関の各種給付金や融資などの支援策を利用した企業は60%(36社)で、今後利用する可能性があるとした企業11・7%(7社)と合わせて71・7%(43社)に達した。利用予定はないと答えた企業は28・3%(17社)。
感染終息までの期間が長引いた場合、廃業を検討する可能性があるとした企業は11・7%(7社)で、検討時期は「25カ月以上先」が最多の5社で、「4~6カ月」と「13~24カ月」が各1社。感染防止やリモートワークの導入を要因とした本社移転や縮小について、「移転を考えている」と答えた企業は1社で、「移転しておらず、縮小の予定もない」が最多の50社に上った。
人員に関して、2022年度の採用予定数を増やす予定とした企業は16・1%(9社)、減らす予定は10・7%(6社)、同水準を維持が39・3%(22社)で最多。コロナ禍以降に人員削減を実施した企業は10・7%(6社)で、実施しておらず、予定もないとした企業は75%(42社)だった。
県内では新型コロナ関連の倒産は2社(12月20日現在)にとどまり、政府や自治体による資金繰り破綻を防ぐ施策が奏功しているとみられるが、感染終息のめどが立たない中、業績悪化に伴う可処分所得の低下が懸念されることなどから、同社は「すでに限界となりつつあった小規模零細事業者で倒産や廃業に追い込まれる企業が増加する可能性は否定できない」としている。