企業存続と雇用確保へ 紀陽銀行のM&A業務
㈱紀陽銀行(和歌山県和歌山市本町、松岡靖之頭取)は、会社の将来に悩みを抱える県内企業に未来設計を提案する「営業支援部コンサルティング営業室」を開設している。
同室は12の専門チームで編成されており、中でも注力しているM&A(第三者承継)を専門とするチームが、事業承継に関するサービスを提供。同行の営業エリアを中心にマッチングし、M&Aに精通した同行アドバイザーが相談からアフターフォローまで一貫した手厚いサポート体制で対応する。
後継者不在や企業の先行きが心配で引退できないなど、悩みを抱える会社譲渡希望の経営者に対して、企業の存続と従業員の雇用確保を目的としたM&Aを提案。新規事業など企業の成長、戦略を目的とする承継先である買い手企業の経営者とタイミングや、条件面のベストマッチングができるよう、円滑に業務を進めていく。
相談企業のサポートの流れは、譲渡または買収希望の企業から相談を受けた営業店が窓口となり、企業の現状を同チームに報告。企業の現状を把握して事業承継に関するヒアリングを行う。潜在的な課題を抽出して経営者と共有し、課題を踏まえて総合的な課題解決策を同行アドバイザーが提案する。その他、提携金融機関や外部専門家などネットワークを活用した課題解決を行う。
同チーム担当者は「当行がM&A業務をしていることについては、あまり知られていないのが現状。家族内承継や社内承継などの他に、外部企業など第三者承継という選択肢を増やすことで企業に見合った承継方法を提案する」とし、「友好的なM&Aを前提に、契約成立後も事業を継続させることを目標として、地元和歌山の経済に寄与できれば」と話している。