若者の感染増に危機感 部活の練習試合禁止
仁坂吉伸知事は13日、和歌山県庁で定例記者会見を開き、県内での新型コロナウイルスの感染拡大状況について「年末年始にかけて若い人の感染がずいぶん増えた。特に和歌山市が多い」と述べた。県民に対して、緊急事態宣言の発令地域への不要不急の往来を控えることや、可能な場合は在宅勤務、時差出勤を積極的に推進するよう呼び掛けた。
県内では年末以降感染者数が急増しており、今月7日には一日の新規感染者数が過去最多の21人を記録。12日午後1時現在で県内の累計感染者数は786人となっている。
保健所別では、和歌山市の感染者が多く、12日は新規感染者9人のうち8人を和歌山市在住者が占めた。10日には入院患者数も128人となり、過去最多を記録。12日の新規感染者数は9人で今月4日以来の1桁となったが、仁坂知事は「感染力が結構強い。一本調子で減っているという見通しは持っていない。楽観視はできない。保健所のキャパシティー(受け入れ能力)の問題もあり大変」と述べ、引き続き厳しい状況にあるとの認識を示した。
感染拡大防止に向けた県の保健医療行政については「ものすごく精緻にやっている」と述べ、事業者への休業要請については、昨春に緊急事態宣言を発令した際、経済に大きな影響が生じたことや、県内の現在の感染拡大状況を踏まえ、「(社会経済活動の自粛により)生活に困ったり、健康を害する人も出てくる。県民生活ができるだけ破滅的な状態にならないようにしたい」と述べ、現時点では休業要請を行う考えはないとした。
新型コロナのワクチンについては「進んで接種したい」とし、接種による副作用の懸念に関しては「副作用があるかもしれないが、一応オーソリティーが認めている。言論の自由は大事だが、こんなに混乱している中、完璧を期していたら別の要因で混乱が起きる可能性がある」と述べた。
また、県教育委員会は12日、部活動の対外試合や合同練習による感染のリスクを踏まえ、各県立学校の校長に対し、県外の学校との練習試合、合同練習などは禁止▽県内の学校との練習試合や合同練習は原則禁止とし、やむを得ず実施を予定する場合は事前に県教委と協議する▽大会などへの出場停止などについては「新型コロナウイルス感染症に係る県内大会等への出場停止や大会中止の目安について」によること——を通知した。