南紀白浜エアポート みらいワークスと提携

南紀白浜エアポート(岡田信一郎社長)は3日、都市部の人材と地方企業をマッチングする事業「スキルシフト」を展開する東京の㈱みらいワークス(岡本祥治社長)と業務提携を結んだ。新たな商品開発や課題解決を求める地方の企業が、都市部の優秀な人材を副業として迎え入れるシステム。南紀白浜エアポートはみらいワークスと地元企業のパイプ役となり、関係人口の創出や元気な企業を増やすことで、地域活性化につなげていく考えだ。

スキルシフトは、今の副業解禁時代に生まれた新しいビジネスモデル。都市部の個人事業主や大手企業、大手製薬会社などで働いている高いスキルと地方のために役立ちたいとの志を持つ、20~40代が中心の年収500~1000万円超の約5000人が登録している。経験や知識を副業として生かし、人材を求める地方企業とマッチングする事業を展開しているのがみらいワークスだ。

人材を求める地方企業は、スキルシフトに1カ月9万8000円の広告掲載料で人材を募集する。登録者は内容に応じて地方企業に応募し、採用されれば副業として経営などに関わることになる。企画や戦略における経営課題を解決したいが、コスト面で正社員を採用できない地方企業にとっては、月3~4万円程度の謝礼と交通費で優秀な副業人材を迎えることができ、大きなメリットがある。

みらいワークスはスキルシフトを2017年12月から展開しており、600社以上の地方企業の利用実績がある他、全国の自治体や金融機関など100社以上と業務提携している。これまでの実績では、求人応募率99・8%、平均応募数13人、採用決定率99・6%、平均謝礼3・3万円。

和歌山県内では初の提携企業となった南紀白浜エアポートは、「空港型地方創生」を目指してワーケーション推進など関係人口増に向けた取り組みを積極的に行っている。地域の活性化には地元企業がより元気になることがポイントの一つで、スキルシフト事業をもっと広めていきたいと、今回、業務提携することになった。岡田社長の働き掛けで、すでに白浜の温泉旅館と梅加工業者がスキルシフトで人材募集を始めており、3日までにそれぞれ19人、16人の応募があるという。

提携の締結は白浜空港で行われ、岡田社長と、リモート出席の岡本社長がモニター越しに握手。みらいワークスの岡本社長は「副業によって定期的に人が通うことで関係人口が増加するし、2拠点生活や移住にもつながる」と地域振興に期待を込め、南紀白浜エアポートの岡田社長は「都市部の新しい知恵や見識、経験を地方に持ってきてもらうことで地元企業や地域の発展につながる非常に面白い取り組み。和歌山に来てもらって魅力を感じてもらい、和歌山ファンを増やしていきたい。私たちはパイプ役としてスキルシフトという活用方法があることをセミナーなどを開いて、御坊日高や県内全域に広めていきたい」と話している。

 

モニター越しに握手する岡田社長㊧と岡本社長