迅速な救助へ連携強化 海保と消防が訓練

海南海上保安署と海南市消防本部下津消防署は12日、下津港の桟橋に係留していた曳船から火災が発生したという想定で消火救助合同訓練を行った。

同訓練は、両機関の連携強化と救難技術の向上を図ろうと毎年実施。同保安署13人、同消防署14人が参加した。

全長約35㍍、約100㌧の曳船と同じ大きさの海南海上保安署の巡視艇を使用。船内の機関室から煙が上昇し、両署が現場に到着したところから訓練が始まった。

同消防署員が水を通した状態の放水用ホースを持ち、消火のため無線で船内の状況を確認しながら出火元の機関室へ進入。鎮火後、乗組員1人が行方不明との情報が入り、再び船内を捜索。船室で発見した乗組員に見立てた人形を担架に乗せて救助し、船外へ運び出した。

同保安署の上岡尚浩さんは「火災の事案が少なく、消防署の皆さんの海上での作業もあまりないので、訓練を通じて互いのスキルアップにもつながる」と話していた。

人形を担架に乗せて救出する消防署員

人形を担架に乗せて救出する消防署員