メタンハイドレート学ぶ 向陽中で県が授業
海洋エネルギーに理解を深めてもらおうと、和歌山県立向陽中学校(和歌山市太田、鈴木晴久校長)で15日、県が主催する出前授業「燃える氷?!メタンハイドレートを知ろう!」が行われ、2年生が次世代のエネルギー資源とされるメタンハイドレートについて学んだ。
メタンハイドレートとは、天然ガスの主成分であるメタンガスと水が低温・高圧の状態で結晶化した氷状の物質のことで、現在世界中でエネルギー資源として利用するための技術開発が進められている。
メタンハイドレートは県沖の海底にも多く賦存(ふぞん)するといい、県では2012年度から調査を開始。将来を担う若い世代に関心を持ってもらおうと、初めて出前授業を開いた。
東京海洋大学の青山千春准教授によるリモート講演では、「メタンハイドレートと和歌山県沖での調査について」をテーマに、高性能魚群探知機や水中ロボットを使った研究の様子を動画で紹介した他、和歌山工業高等専門学校の綱島克彦教授による燃焼実験も行われた。
生徒らは人工的に作られたメタンハイドレートに触れたり、実際に燃焼する様子を観察したりと、次世代エネルギーを間近に感じていた。綱島教授は「若手の研究者が少ない今、生徒さんたちには広い分野を学び、世の中に役立つような研究に興味を持ってもらえれば」と話していた。
また、同課による新エネルギーの授業では、生徒らがエネルギーカーに注射器で水素を入れて動かすなど、水素エネルギーについても学んだ。