連節バスの試走開始 和市と南海BRT導入向け
和歌山市と南海電鉄は6日、市の新しい公共交通として共同研究している「BRT(バス・ラピッド・トランジット=バス高速輸送システム)」の導入に向け、車体2台をつなげた連節バスの試走を開始した。南海和歌山市駅と和歌山マリーナシティを起点とする約10㌔の区間を中心に7日まで行い、課題を検証する。
BRTは、連節バスや公共車両優先システム、バス優先レーンなどを組み合わせることで、運行の定時性やスピードを確保し、輸送能力のアップを可能とするバスシステム。
マリーナシティへのIR(カジノを含む統合型リゾート)誘致が実現した場合を前提に、利用者や従業員の交通輸送の課題を解決するのにBRTが有効と南海電鉄が市に提案し、昨年11月に共同研究がスタートした。
試走には同社グループの南海バスが関西国際空港内で運行している連節バス(定員100人)を使用。既存の道路で右左折に支障がないか、一定の速度で走行できるか、他の車両に影響が出ないかなどを確認しながら走った。
6日、試走の第一便には尾花正啓市長や南海電鉄の遠北光彦社長が乗車し、市駅から本町通り、けやき大通り、JR和歌山駅前を通って市駅に戻る市中心部のルートを体験した。
尾花市長は「揺れが少なく、カーブもスムーズだった。低床車両で高齢者なども安全に乗ってもらえる。将来的に導入を実現したい。公共交通の次の時代へ、きょうが第一歩となる」と期待を示し、遠北社長は「市民の足の利便性向上ができればと思う。課題を見つけ、きちんと走れるようにしたい」と話した。
市と南海電鉄は今後、試走で分かった課題の解決に向けた検討など、研究を進めていく。