ビブリオバトル優勝 甲南女子大の堀内さん

昨年12月に開かれた「大学ビブリオバトル・オンライン大会2020」で、和歌山市出身で甲南女子大学文学部2年の堀内八衣乃(やえの)さん(20)がSF小説『ハーモニー』(伊藤計劃著)を紹介して優勝した。

ビブリオバトルはゲーム感覚を取り入れた書評合戦。発表者がおすすめの本を持ち合い、1人5分間で紹介した後、パネラーや観客が一番読みたくなった本を決める。

堀内さんは県立桐蔭高校1年の時に高校の部で初出場し、2年では関西大会で準優勝して全国大会にも出場した。

大会は新型コロナウイルスの影響で中止となった「第11回ビブリオバトル京都決戦」の代替大会として実施。11月から全国500人の大学生が参加し予選を行った。オンラインで発表をし、視聴者の投票で優勝を決めた。

堀内さんが紹介した『ハーモニー』は、全世界で新型の未知のウイルスがまん延し社会が大混乱に陥る物語。その後、医療の進歩で世の中から病気がない世界になるが、人々の健康を管理し監視する社会に…という内容。

約10年前の作品であってもコロナ禍の現在に通じる部分があると力を込めた。

事前に話す内容を記憶せず、ライブ感覚を大切にしたいとアドリブで発表。物語の魅力を伝える場だが、前半にはプログラミング言語が書かれているため挫折しやすいことを正直に伝えた。「読むのをやめてほしくない。読み進めればその意味が分かって面白い」と紹介した。

堀内さんは「作者の伊藤さんは亡くなっているがコロナ禍の今、もう一度読みたくなる作品。同じ本でも人によって感じ方や視点が違うのが面白い。2連覇できるように、いい作品に出合えるようにこれからも頑張りたいです」と笑顔で話している。

トロフィーと本を手に堀内さん

トロフィーと本を手に堀内さん