新しい時代に変革を 和大で1128人が巣立ち
和歌山大学(和歌山市栄谷)の卒業式が25日、同市民会館で行われ、四つの学部生と大学院生合わせて1128人が学びやを巣立ち、新たな一歩を踏み出した。
約40年間、同大の卒業式が行われてきた同館は、9月末に閉館予定。この場所での最後の卒業式となったことしは、新型コロナウイルス感染症防止対策のため、保護者の参列を見合わせ、式場の座席を例年の半数に減らすなど規模を縮小して行われた。
また、学歌や蛍の光の合唱は、同学混声合唱団が制作したリモート合唱の映像が流された他、昨年同様、式の模様はオンラインでライブ配信された。
式では伊東千尋学長が、各学部などの代表に学位記や修了証書を授与。式辞でコロナ禍の社会情勢についてふれ「今女(なんじ)は画(かぎ)れり」という論語の一節を紹介。「ニューノーマルと呼ばれる新しい社会生活の中でも自身を枠にはめず、この困難な時代を新しい輝く時代に変革してください」とエールを贈った。
県内の金融機関に就職する経済学部の竹垣美奈子さん(22)は「コロナ禍で1年半ぐらい大学に行けていないので卒業する実感はない」と振り返りながら、「社会人になることへの不安はあるけれど、どんな人と出会えるのか楽しみ」と表情は晴れやかだった。