県関係は34人が受章 危険業務従事者叙勲
警察官や消防職員など著しく危険性の高い業務に従事した功労者をたたえる「第36回危険業務従事者」の受章者が29日に発令される。和歌山県関係では県が上申した6人と中央省庁などで選考された28人の計34人(うち女性1人)。県関係の受章者総数は累計で952人(うち女性10人)。新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、県庁や各省庁での伝達や拝謁は検討中。晴れの受章者は次の皆さん。
【瑞宝双光章】石神利比古(72)元大阪府警部、橋本市城山台▽馬谷昭一郎(64)元那賀消防組合消防司令長、紀の川市中三谷▽小田精(72)元警視正、和歌山市深山▽坂本年生(68)元和歌山市消防監、和歌山市榎原▽谷忠憲(67)元田辺市消防司令長、同市本宮町本宮▽田村敏行(72)元警視正、貴志川町北山▽辻岡尚男(64)元湯浅広川消防組合消防司令長、広川町広▽中西隆司(72)元警視正、海南市且来▽中村佳澄(72)元警視正、和歌山市西浜▽七島武則(72)元大阪府警視、和歌山市弘西▽東山均(72)元警視正、紀の川市北長田▽福田憲司(72)元警視長、紀美野町小畑▽藤本雄治(73)元県警部、貴志川町岸宮▽堀江聡太(64)元堺市消防司令長、高野口町伏原▽松浦耕造(72)元県警部、岩出市新田広芝▽山田眞充(72)元警視正、和歌山市秋月
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【瑞宝単光章】上西佳委(62)元法務事務官、貴志川町長山▽片川昭夫(73)元県警部補、橋本市小峰台▽川上哲生(61)元法務事務官、新宮市熊野地▽小谷勝也(76)元県警部、和歌山市松島▽坂元靖昭(66)元法務事務官、岩出市相谷▽杉若敬二(73)元県警部、和歌山市三葛▽関佳眞(68)元和歌山市消防司令長、同市関戸▽田中元敎(73)元県警部補、田辺市中三栖▽谷周一(73)元県警部、みなべ町埴田▽坪井泰親(72)元大阪府警部、和歌山市井辺▽中一男(73)元県警部補、岩出市野上野▽桝川修一(73)元県警部、串本町和深▽間所眞一(73)元県警部補、和歌山市榎原▽守内ゆきじ(67)元法務事務官、高野口町下中▽森川伸二(65)元海上保安官、貴志川町長山▽山下伯親(66)元法務事務官、那智勝浦町宇久井▽山本むねかず(72)元大阪府警部、岩出市紀泉台▽和佐孝二(70)元海南市消防司令、貴志川町上野山
災害現場で「想定外」痛感
県立粉河高校を卒業後、消防員だった親戚に憧れて自らも消防の道へ。初仕事は粉河の東消防署での機関員。ポンプ車を運転して現場に駆け付けた。41年間で救急と救助、災害の予防など全般の業務を担い住民の命を守るために尽力した。
印象に残るのは阪神淡路大震災と東日本大震災。応援に駆け付けたが規模の大きさに圧倒された。阪神淡路の現場では、ほとんどの建物が燃え倒壊し作業は難航。東日本では宮城県女川町に救助に行ったが、ほとんどの建物が津波で流され行方不明者も多かった。「これまでの経験や活動が通用しない状況だった。自然災害の怖さを実感した」と振り返る。
警防課長を務めて勇退。後輩には「新型コロナの影響で一層厳しいと思うが、技術と経験を積んで頑張ってほしい」と激励する。
備えの重要性を強調し「寝室の家具の配置の確認や非常用具の点検、普段食べるインスタント食品の確保などが大事」と話す。
現在は消防で得た経験を生かし自主防災での活動に従事。またイチジクを生産する農家としても活動する。
受章には「非常に光栄。上司や同僚、部下など多くの人のおかげ。家を守ってくれた妻にも感謝です」と喜んだ。