県内で聖火リレー 思い込め笑顔でつなぐ
東京五輪の聖火リレーが9、10の2日間にわたり和歌山県内で行われた。1日目、三重県から引き継いだ聖火は新宮市から和歌山市まで紀伊半島を北上し、2日目は同市から橋本市へと紀の川筋を駆け抜けた。和歌山市出身でロンドン五輪体操日本代表の田中理恵さん(33)・和仁さん(35)きょうだいをはじめ、さまざまな立場や年齢層のランナー178人が、思いを込めて笑顔でトーチをつないだ。
本紙エリアで聖火リレーが始まったのは9日午後7時15分ごろ。海南市の国道42号・琴の浦交差点をスタートし、臨港道路、ムーンブリッジを通り、この日のゴール、和歌山市の和歌山マリーナシティへと向かった。
最終ランナーを務めたのは田中理恵さん。マリーナシティ駐車場前で、前のランナーから聖火を受け継ぐ「トーチキス」を行い、沿道の人々に両手を上げて笑顔を見せると、聖火到着の式典「セレブレーション」が行われる駐車場内の会場へと走った。
セレブレーションは、聖火到着に先立ち6時半ごろにスタート。プレゼンティングパートナー3社がステージでパフォーマンスを披露し、近畿大学付属和歌山高校ダンス部や智弁和歌山高校吹奏楽部も企業とのコラボで会場を盛り上げた。
7時40分ごろ、田中さんがトーチを右手に入場し、聖火皿へ点火すると、会場からは拍手が湧き起こった。県実行委員会会長の仁坂吉伸知事は「オリンピックが楽しみな気持ちが湧いてきます」とあいさつした。
2日目は晴れわたる青空の下、和歌山市の和歌山商工会議所前からJR和歌山駅前まで、けやき大通りをリレーした。
第1走者は田中和仁さんが務め、「聖火にいろんな思いが宿っているので、しっかりとつないでいきたい」と意気込んだ。
尾花正啓市長がトーチに着火し、田中さんは笑顔で沿道に手を振りながらさっそうと走り出した。
市内は、㈱島精機製作所社長の島三博さん(59)、シドニー五輪フェンシング女子代表で県立和歌山東高校教諭の西口美和子さん(48)らが走り、沿道では多くの市民らが拍手や手を振るなどしてランナーを応援。熱気に包まれた。