過去最高からコロナで3割減 20年県内観光客

2020年に和歌山県内を訪れた観光客総数は、史上最高だった19年の約3543万3000人から、一転して約2478万4000人(前年比30・1%減)に減少した。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、外国人観光客の激減、都道府県間の往来自粛、イベントの中止や夏休み期間の短縮などが複合的に影響した。

県によると、総数は平成以降の最低を記録し、うち日帰り客は約2154万人(前年比28・0%減)、宿泊客は約324万4000人(同41・0%減)。特に渡航制限による外国人宿泊客の減少は大きく、前年の1割に満たない4万5000人(同91・0%減)にとどまった。

県内7カ所の主要観光地の入り込み状況をみると、前年比で最も落ち込みが大きかったのは田辺市龍神村で、観光客総数は35万4000人(同45・2%減)。高野町は総数が120万6000人(同18・6%減)で落ち込みが最も小さかったものの、宿泊客に限ると最も大きく減少し、5万1000人(同77・2%減)にとどまった。

その他の主要観光地の総数は、和歌山市446万8000人(同35・3%減)▽田辺市本宮町133万8000人(同28・8%減)▽旧白浜町237万3000人(同31・2%減)▽那智勝浦町83万3000人(同38・4%減)▽旧串本町114万8000人(同29・2%減)――だった。

外国人宿泊客数は、過去最高を記録した19年の50万2000人から激減。シェア68・3%のアジアは前年比90・4%減、シェア27・1%の欧米豪は同92・8%減となった。

20年は4~5月に全国で緊急事態宣言が発令され、往来自粛やイベントの中止などが長く続いた。7月以降に実施された県独自の「わかやまリフレッシュプラン」や国の「GoToトラベル」事業などの観光需要喚起策により、一時的に観光客数が回復した時期はあったが、その後も感染状況の悪化による減少が繰り返され、観光分野には年間を通して深刻な影響が続いた。

県内観光客数の推移

県内観光客数の推移