県景況3カ月ぶり改善 ワクチン先行き期待
帝国データバンクによる3月の景気動向調査で、企業の景況感を示す景気動向指数(DI)は、全国が2カ月連続改善の38・0(前月比2・2㌽増)、和歌山県内は3カ月ぶり改善の38・1(同1・4㌽増)となった。新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う活動自粛の要請など、下振れリスクは依然として大きいものの、今後の景気は緩やかに上向いていくと見込まれている。
全国のDIは、10業界全てでプラスとなり、業種別でも51のうち47業種でプラス。半導体関連や自動車関連など「製造」「卸売」を中心に上向き傾向が続いた一方、ガソリンなどの石油製品価格や鋼材などの原材料価格が上昇し、「製造」「小売」「運輸・倉庫」など幅広い業種でマイナス要因となった。
業界別のDIは、「製造」が38・5(前月比2・9㌽増)、「サービス」が38・5(同2・0㌽増)、「不動産」が40・6(同2・3㌽増)などで、いずれも2カ月連続のプラスだった。
県内DIの全国順位は前月の18位から24位に後退し、近畿2府4県では滋賀、兵庫に次いで3位。全国のDI38・0、近畿のDI37・4を上回ったが、差はいずれも縮小した。
規模別では、大企業は37・5(前月比1・4㌽増)、中小企業は38・1(同1・3㌽増)でいずれも改善。業界別では、製造業が39・8(同1・5㌽増)で2カ月連続で改善し、非製造業は37・4(同1・3㌽増)で4カ月ぶりの改善となった。
先行きの見通しは、3カ月後が40・2(前月37・2)、6カ月後が40・5(同39・4)、1年後が43・7(同42・8)で、全ての時点で2カ月連続して改善した。
同支店は、企業から厳しい意見が多い一方、新型コロナの検査キット関連の業種などは極めて好調で、二極化が進んでいると指摘。先行きについては、ワクチン接種による人的交流の増加などを期待して改善傾向が続いており、「県内景況は年央にかけて緩やかな回復が期待される」とみている。
調査は3月18~31日にインターネットで行い、対象2万3703社(県内144社)のうち1万1261社(同63社)が応じ、回答率は47・5%(同43・8%)だった。